【】ホンダF1田辺TD予選後会見:「予想したなりの苦戦」でコンマ4秒差も、2列目を獲得。気になるメルセデスの4基目投入
9月11日
スプリント予選形式のF1第14戦イタリアGPの週末、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は初日フリー走行ではソフトタイヤで2番手につけたものの、ミディアムでトップに立ったルイス・ハミルトン(メルセデス)にコンマ5秒近い大差をつけられた。
そして2時間半後に行われた予選では、メルセデス2台の後塵を拝する3番手。2台との差はコンマ4秒と、依然として大きかった。開催前から予想された苦戦が、現実となった形だ。今季ここまで接戦を繰り広げ、多くの場合優位に立ってきたメルセデス相手に、コンマ4〜5秒差というのはあまりに大きい。
「ここまでの大差を予想していたか」という問いに対してホンダF1の田辺豊治テクニカルディレクターは、「そこはチームに訊いてください」と、答えるのみ。超高速サーキットということでパワーユニット性能ばかりがクローズアップされがちだが、車体を含む総合パッケージで苦戦を強いられていることを示唆していた。
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──今年2回目のスプリント予選初日が終わりました。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):マックス(・フェルスタッペン)3番手、(セルジオ・)ペレス9番手、そして(ピエール・)ガスリーは6番手。このポジション以上のグリッド獲得は、今季11回目となります。角田(裕毅)選手はQ1通過かと思ったのですが、トラックリミットを超えてタイムを抹消されてしまい、17番手に終わりました。レッドブルはここが苦手だと開催前から言っていましたが、メルセデスだけでなく他のチームも戦闘力を上げていた。その意味で予想したなりの苦戦と言えますが、メルセデス2台に次ぐ位置のグリッドにつけたのは、まずはよかったと捉えています。
──チーム側も「モンツァはダメージリミテーションのレース」と言っているわけですが、一方で速さを見せたメルセデスは、バルテリ・ボッタスが4基目のパワーユニットに交換しました。これについては、どう見ていますか。
田辺TD:理由がわからないのでなんとも言えませんが、これまで年間使用制限でペナルティを受けたことのなかったメルセデスが、4基目を投入した。そこは非常に気になります。20グリッド降格は日曜日の決勝レースに適用されるわけですが、スプリント予選の結果がどうであれ、ボッタスの決勝グリッドが下がることは間違いない。レッドブルとマックスにとっては、いい形になることは間違いないですね。
──フェルスタッペンも今後、4基目投入は避けられない状況です。降格グリッド数をできるだけ減らすために、たとえばICEだけ交換という選択肢も依然として考えていますか?
田辺TD:あらゆる選択肢はあると思います。
──予選後に、ボッタスに倣って交換することもありうる?
田辺TD:さあ。
広報:そこはまだ現在進行形の事案でもあり、コメントできないのはご理解ください。
──フランスGPなど、今まで苦手としてきたサーキットでのレースも、今季はいい戦いができています。モンツァがいくら苦手とはいえ、コンマ4秒という大差。そこまで大きな差がつくと、想像していましたか。
田辺TD:そこはチームに訊いてください。絶対値というのは難しいので、チームの見解を聞いた方がいいと思います。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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