2026.04.13
【F速プレミアム】
「基本的な問題は開幕戦からずっと同じ。本当に厳しい戦いだ」/フェルスタッペン密着コラム
(c)XPB Images
F1第3戦日本GPでは7位と振るわなかったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。開幕戦から指摘しているクルマの問題について不満を募らせている。F1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーが日本GPの週末を語る。
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「マックス・フェルスタッペンのできることには限りがある」。これはドイツ人の元グランプリドライバーで、トヨタでもドライブしたティモ・グロックのコメントだ。44歳になった彼は、最近ではF1のテレビ解説者として高い評価を得ている。
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さらにグロックはこう続けた。「この素晴らしい鈴鹿サーキットのコースサイドから見ていても、クルマのバランスがマックスの求めるものになっていないのは明らかだ。アンダーステアとオーバーステアの間を行ったり来たりしている。フェルスタッペンが最高のパフォーマンスを発揮するには、反応の良いしっかりしたフロントエンドが必要だが、それがまったく欠けているようだ」
「昨年の場合、ほとんどのレースでマックスのクルマはマクラーレンと対等とは言えず、コンマ3秒かコンマ4秒、あるいはコンマ5秒といったギャップがあった。だが、レッドブル・レーシングはしばしば土曜と日曜に向けてより良いセットアップを探し当て、それでも足りない分はマックスの超人的なドライビングで補っていた。けれども、今季は上位グループとのギャップが大きすぎて、どうにもならない」
2022年から2025年まで日本GPを4連覇したフェルスタッペンは、今年のレースを7位で終えるのが精一杯だった。
マックスは語っている。「アルピーヌのピエール・ガスリーと、ほぼ同じレベルのペースだった。一度は彼の前に出たものの、僕のバッテリーが空になったので簡単に抜き返されてしまった。これが新しいF1というものだよ。その後、同じ場所でのオーバーテイクは試みもしなかった。ピエールもまた同じように抜き返してくるに決まっているからだ」
「それ以降は戦い方を変えて、彼にプレッシャーをかけてミスを誘うか、あるいはタイヤを消耗させようと考えた。でも、それも狙いどおりにはならなかった。フィニッシュラインではかなり詰め寄ったけど、結局届かなかった」
「基本的な問題は開幕戦からずっと同じだ。とにかく最善を尽くしたが、本当に厳しい戦いだった。今後の人生について考え直す必要がありそうだ……」
ヨス・フェルスタッペンは危機感を募らせている。マックスの父親で、自身もかつてはグランプリドライバーだったヨスは、息子がすっかり絶望していることに気づいたのだ。彼はオランダのデ・テレフラーフ紙に対して次のように述べた。
「F1ドライバーが報酬を得られるのは、その勇気と能力に価値があるからだ。だが、いまコース上で起きていることは、純粋なレーサーの本能に反している。たとえば、予選であるコーナーを全開で通過すると、その周のラップタイムはむしろ遅くなってしまう。高速コーナーで電気の力を蓄えて、それをストレートで放出するようにしないと、いいタイムは出せないからだ。これはレースでの普通の感覚とは相容れない」
こんなふうに主張するファンも少なからずいる。「マックスが愚痴を言うのは、自分のクルマが最速ではないからだ。もし勝てる位置にいれば、あんな発言はしないだろう」
だが、そうした見方は間違っているとヨスは言う。「マックスがドライブしながら感じていることは、レースの結果や成績とは関係のない話だ。この新しいクルマが抱える問題について、彼は声を大にして訴えている。そのことはもっと正当に評価されるべきだ。人々はドライバーに何を望んでいるのか。内面では違うことを感じながら、口では『何の問題もない』と言うことだろうか」
「間違いなく言えるのは、マックスはこの新しいクルマのドライブが、もはやチャレンジングではないと感じていることだ。彼はF1でドライブするモチベーションを失ってしまうかもしれない。私はそれを怖れている。かつての彼は、グランプリカーを走らせるのは最高にクールなことだと感じていた。そういった喜びがすっかりなくなってしまったんだ」
(c)XPB Images
(Mathias Brunner/Translation:Kenji Mizugaki)
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