【】新人リンドブラッドに見える王者のような情熱。カート時代の指導者が高く評価する一方で、若手の礼儀の重要性を語る
4月10日
伝説的なカートの指導者であるディノ・キエーザは、7度のF1チャンピオンであるルイス・ハミルトン(スクーデリア・フェラーリHP)と、2026年シーズンのF1における唯一の新人であるアービッド・リンドブラッド(ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム)の間に驚くべき共通点を見出した。キエーザはリンドブラッドの真のスピードを称賛する一方で、彼の内面がF1キャリアの成功を左右する可能性があると警告した。
ハミルトンや2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグ、またアレクサンダー・アルボン(アトラシアン・ウイリアムズF1チーム)といったドライバーの成長を見守ってきたキエーザは、速いドライバーと将来のスタードライバーの違いを知っている。そんなキエーザは今、レーシングブルズのマシンに、7度の世界チャンピオンのような情熱の片鱗を見出している。
F1のパドックにおける才能のヒエラルキーのなかで、リンドブラッドは今、誰もがその名前を口にする存在だ。カートのレースにおいてリンドブラッドを指導し、目覚ましい躍進へと導いたキエーザは、彼をかつての教え子のなかで最も有名な人物と比較することを躊躇わなかった。ロズベルグが知性的で礼儀正しい戦略家だったのに対し、リンドブラッドはハミルトンの初期の頃を特徴づけた、捕食者のようなDNAを受け継いでいる。

キエーザは『The Sun』紙に対し、「彼はルイスに似ていると言えるだろう。ニコはとても礼儀正しく、ルイスやアービッドよりも2位フィニッシュという結果を受け入れる姿勢が強かった」と語った。
「アービッドはレースでは非常にアグレッシブで、何かを待ったり計算することもない。他のドライバーに追いついたら、すぐに追い抜く。しかし彼は賢いので、インシデントや大きな事故に巻き込まれることはない」
両者を結びつけるのは、単なる攻撃性だけではない。ドライバーがマシンの限界を越えることを可能にする、高度な技術力もそうだ。キエーザは、リンドブラッドの驚異的な情報処理能力を鮮明に覚えている。
「彼は非常にスムーズで賢いドライバーだ。必要に応じてドライビングスタイルを変えることができるのは非常にいい点だ。彼は素早く学び、テクニカルなドライバーで、様々なタイヤやシャシーに合わせるためにブレーキングやドライビングスタイルを変化させることができる。それに雨でもとても速い」

■「発言する前に10まで数えることを覚えて」
しかし「ルイスのようであること」は諸刃の剣だ。最終周でのオーバーテイクを駆り立てる情熱というのは、もし歯止めが利かなければ、ドライバーとチームとの関係を灰にしてしまう可能性もある。キエーザは、リンドブラッドはチャンピオンの素質を持っているものの、彼の気質はまだ成長の途中だと警告した。彼は、若いドライバーの情熱がプロとしての規律の欠如という形に発展したある一件を鮮明に覚えているという。
「そのドライバーは私と3年間とてもいい時間を過ごしたが、チームメイトに次いで2位になった時、すぐに私に対して『くそ、お前は彼に最高のエンジンを与えたんだ』と言った」
これは、たとえ草の根レベルの選手権であっても、エリートレベルのスピードを持つ人にしばしば伴うエゴを思い起こさせるものだ。だがキエーザは、そのような感情の爆発には賞味期限があると主張する。
「そのドライバーはまだ14歳だった。でも、そんな風に考えていたらキャリアはうまくいかない。現状を受け入れて、努力して、常に最高の状態を保つ必要がある」
レッドブルファミリーというプレッシャーの大きい環境で活動する今、コース上でも無線でも、ミスは許されない。PR担当者が作り上げたキャッチフレーズが飛び交う世界において、リンドブラッドの率直さは、彼が頂点に立つ前に、彼のキャリアを危うくする可能性もあるということだ。
「彼はレッドブルにとっていい存在になるだろう。でも時には、発言する前に10まで数えることを学ぶ必要がある。というのも彼は非常に情熱的で、誤った発言をしてしまうかもしれないからだ」
「F1に到達したら礼儀正しくしなければならない。(マックス・)フェルスタッペンやハミルトンのようになったら、言いたいことを言えるかもしれないが、それまではもっと分別のある態度をとるべきだ。アービッドは政治家ではないからね」

(Text : autosport web)

