【】「PUだけ改善ということではない」アストンマーティンとの連携を強化し開発速度向上を目指す/ホンダ渡辺社長質疑応答(2)
3月9日
2026年シーズンのF1第1戦オーストラリアGPを訪れた、ホンダ・レーシング(HRC)渡辺康治社長。アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チームとホンダの初戦は厳しい結果に終わったが、渡辺社長は今後に向けての方針を明かし、またホンダの育成ドライバーである加藤大翔の活躍を喜んだ。
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──今週末、本田技研工業の三部敏宏社長がグランプリを訪問しました。どんな言葉をかけられましたか?
渡辺康治HRC社長(以下、渡辺社長):「三部社長からは私たちだけでなく、チームとも会談の場を設けてもらい、(共同チームオーナーのローレンス・)ストロールさんとも話し合っています。三部社長には2月27日に東京で行ったプレスミーティングでメディアのみなさんに説明した内容が共有されているので、非常に厳しい状況だということは把握しています。三部社長も元々はエンジニアなので、いろんな技術的な見解も含めて、『早く競争力のあるものにしていこう』と温かいメッセージをいただきました」
──渡辺社長はF1だけでなく、様々なモータースポーツを統括しているのはわかっていますが、F1活動の現状を考えると、この苦境から脱出するまではしばらくF1の現場に足を運ばれたほうがいいと思うのですが。
渡辺社長:「現時点でどこに行くとは決めていませんが、まずは鈴鹿までに振動対策をしっかりと行い、パワーユニット(PU)をトラブルなく使うところまで持っていきたい。それに向けてさくら(HRC Sakura)側がしっかりとやるのはもちろんですが、(アストンマーティンのファクトリーがある)シルバーストン側との連携をさらに深めることが大切になってくると思います。そのためにマネージメントを預かるトップとして、組織の強化を図っていきます」

──組織の強化というのは、人材を増やすということですか。それとも、中身を改善するという意味ですか。
渡辺社長:「ヘッドカウント(人員数)に関しては基本的には十分強化したと思っています。あとは強化する領域と権限、そしてアストンマーティンとの連携を考えなければならないかと感じています。このレースを踏まえて、武石(伊久雄/ホンダ・レーシング専務取締役兼四輪レース部部長)に相談したいと思っています」
──それは、今のままではいけない、なんとかしなければいけないと捉えていいですか?
渡辺社長:「そうです。同じままではダメ。もっと(開発の)スピードを上げていかなければならないし、それはPUのパワーだけ上げるということではないんです。車体と一体となって、どう開発して、加速していくかだと思います。ワンチームとなってしっかりやっていきたいです」
──今週末、アストンマーティン側とそういった話し合いは行っていたのでしょうか?
渡辺社長:「もちろん。(チーム代表のエイドリアン・)ニューウェイさんとは毎日話し合っていますし、ローレンスさんとは毎日ではないですが、金曜日と土曜日にミーティングをしています」

──最後にホンダの育成ドライバーである加藤大翔が(ARTグランプリ)がFIA F3の開幕戦のフィーチャーレースで3位表彰台に上がりました。
渡辺社長:「率直に本当にうれしいです。 ホンダは四輪で言えばF1に上がれるような、そういう選手をHFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)を通じて育てていくことが我々の一番大きな目標です。加藤の走りを見ているとそれに向かって、着実にその能力を高めていて、さらに応援したいと思います。 角田(裕毅)がいて、岩佐(歩夢)がいて、今度は加藤を見て、レーシングドライバーになりたいと思う人がどんどん出てくる。我々はそういう人たちを育てるという努力をこれからも続けるべきだし、強化していきたいと思います」

(Text : Masahiro Owari)
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