キャデラックF1、産業用AIを手がけるIFSを公式テクノロジーパートナーに迎える
産業用AIソフトウェアを手がけるIFSは1月7日、キャデラックF1チームと戦略的パートナーシップを締結したことを発表した。そのなかで同社のソフトウェアは、チームがキャデラックがF1への正式参戦を認められる以前から段階的に導入され、財務管理および調達といった基幹機能からチームの体制構築に寄与したことが明らかにされた。
2026年シーズンよりF1に参戦するキャデラックは、2025年3月にF1への参戦に関する最終承認を受けた。ただ、チーム体制の構築はそれ以前から始まっており、IFSのソフトウェアもF1参戦が確定する以前から段階的に導入が進められてきた。
導入はまず、財務管理および調達といった基幹機能からスタートし、サプライチェーン、製造、品質管理へと対象を拡大。さらに、在庫管理やエンジニアリング管理といった分野をIFSが支援することで、チームにとって重要な部品が必要なタイミングで確実に利用可能となる環境を実現したとしている。
また、同社のソフトウェアの活用はファクトリー(工場)だけではない。同社のリリースによると「リソースの最適化とリアルタイムの意思決定を可能にすることで、キャデラックF1が車両設計やレース運営において情報に基づいた判断を下せるよう支援」とのことで、サーキットでの戦略決定のプロセスにおいてもIFSのソフトウェアが使用されるようだ。
キャデラックF1チームのグローバル・コマーシャル戦略責任者であるタイラー・エップは「IFSは、キャデラックF1チームが10年以上ぶりにF1に新規参入するチームとして立ち上がるうえで重要な役割を果たしてきた」と、コメント。
「我々は、参戦が正式に承認される前という非常に早い段階からIFSの導入を決断した。その結果、ベストプラクティスの確立、複雑性の管理、そしてイノベーションの加速を可能にするツールを活用し、オペレーションを急速にスケールさせることができた。サプライチェーンからエンジニアリングに至るまで、IFSのソフトウェアは、我々がより賢明な意思決定を行うことを支え、最も重要なこと(競争力のある車両を開発し、サーキットで結果を出すこと)に集中できる環境を提供している」
そしてIFS最高経営責任者(CEO)であるマーク・モファットは「キャデラックF1チームは、成長著しい人気スポーツの舞台に大胆に参入している。F1はミリ秒が勝敗を分ける世界であり、テクノロジーが結果を左右する」と、コメント。
「IFSが運営体制に組み込まれることで、俊敏性の向上、リソース最適化、そしてパフォーマンスの限界突破を支援する。技術面での支援に加え、多数のブランド活動を通じてキャデラックF1チームの取り組みを継続的に支援できることを誇りに思う」
現在のF1では車体やパワーユニットといったハードウェアのみならず、クラウドやAIを含めるソフトウェア面での戦いも激化している。新たなソフトウェア企業のF1への参入は、ソフト面での戦いがよりF1での重要度を増しているという証明かもしれない。