「最優先事項はレースをすること」2027年のF1復帰を目指してキャデラック加入の周冠宇。他カテゴリーへの転向も視野に
キャデラックF1チームのリザーブドライバーに就任した周冠宇は、2027年にF1に復帰することを目指して同チームに加入したようだ。しかしその望みが叶わない場合は、周は自身の最優先事項である「レースをすること」を目指して、他のカテゴリーに戦いの場を移すことも選択肢に入れているという。
1月5日(月)に発表された通り、周はリザーブドライバーとしてキャデラックに加入することを選択。これによりキャデラックのドライバーラインアップが完成した。
この発表に先立って、周が2025年シーズンにリザーブドライバーとして所属していたフェラーリは、「今シーズン、周冠宇がフェラーリのリザーブドライバーとして献身的な取り組みと貢献をしてくれたことに感謝する。今後の活躍を願っている」と、SNSに周の貢献に感謝するメッセージを投稿した。これは、周がフェラーリで2年目のシーズンを迎えるのではなく、キャデラックで同様の役割を担うと決めたことを示唆していた。
一見すると非論理的な決断に見えるかもしれないが、周にはこの決断をする十分な理由がある。彼は2025年の第23戦カタールGPの際に、すでにその理由を説明していた。
「僕はフェラーリのリザーブドライバーとしてもう1年残ることも、キャデラックで同様の役割を担うこともできる。だから自分の将来にとって最善の道を選ばなけれなばならないだろう」
周は両チームでリザーブドライバーを務めようとフェラーリの説得を試みた。しかしフェラーリのフレデリック・バスール代表は、完全にフェラーリに専念するリザーブドライバーを必要としており、周の話を受け入れようとはしなかった。
現実的に考えて、もし7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンが2026年の終わりに引退したとしても、フェラーリがハミルトンの後任として自身を起用するつもりはないことを周は理解していた。というのもバスールはすでに、フェラーリの育成ドライバーであり、現在ハースに所属するオリバー・ベアマンを将来のラインアップとして挙げており、またマクラーレンのドライバーのひとりがチームを離れる決断をするかどうか、ドライバー市場を注視している。さらに、2025年のFIA F3のチャンピオンである育成ドライバーのラファエル・カマラにも非常に大きな期待を寄せている。


その一方で周は、バルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスがキャデラックと複数年契約を結んでいるものの、両者が契約に含まれる最低限のパフォーマンスを発揮できなければ、2026年の終わりにチームを離れる可能性があることも知っている。だから周は、2027年にベテランドライバーの後任として、キャデラックでグランプリに復帰できるかもしれないと期待しているのだ。

周はカタールで以下のように述べた。
「2027年シーズンに向けて、最優先事項はレース復帰だ。リザーブドライバーとして3年も過ごしたくない」
「もしF1のシートを取り戻せれば理想的だけど、もしそうできなかったら、僕は他のカテゴリーに移るだろう。レースをすることが僕の優先事項だからね」
「WEC世界耐久選手権やABB FIAフォーミュラE世界選手権に参戦するいくつかのチームから、かなりのアプローチを受けた。いくつかのマニュファクチャラーが僕とマネージメントに接触してきたんだ。だからもし2027年にF1に戻れなかったら、そこでレースを戦うことになるだろう。僕は絶対にレースに戻ると決意している」
最近明らかになったところでは、ふたつの中国のマニュファクチャラーが、2027年にWECに参戦することを目指してACOに接触した。WECへの関心を示したのは、奇瑞(Chery)と、吉利(Geely)の乗用車を生産しているLynk & Coだ。もし彼らがこれまでで最も成功した中国人ドライバーである周をターゲットにしても驚きではない。また、2025年のル・マン24時間レースの勝者であるイェ・イーフェイも主要な候補のひとりとなっている。
