厳しいマルコの監督下でF1昇格を決めたリンドブラッドが感謝を語る「他が信じてくれなかった時に、僕を信じてくれた」
2026年にレーシングブルズからF1デビューを控えている18歳のアービッド・リンドブラッドは、自身の道のりの多くを静かに形作ってきた人物である、退任したレッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコについて振り返った。
マルコがレッドブルの厳しいジュニア育成部門を率いる役割から離れたことで、容赦のない才能発掘の時代は終わりを迎えつつある。リンドブラッドは、マルコの引退に伴い、彼の厳しい監督の下でF1への昇格を果たした最後の天才となる。
「これはかなり大きなことだ」と、リンドブラッドはマルコとの関係について語った。
「僕はここ数年間、ロッキー(ギヨーム・ロケリン、レッドブル・ドライバー・アカデミー代表)やマルコ博士、そしてチーム全員と非常に緊密に協力してきたからだ」
「彼らのサポートと僕たちが行ったすべての仕事、そして特にマルコ博士には心から感謝している」
「僕にとって今年は決して楽な年ではなかった。結果には満足していないが、他の人が信じてくれなかった時に彼は僕を信じてくれたので、とても感謝している」

マルコは要求が厳しく、威圧的でさえあるという評判は長年にわたってよく知られていることだが、リンドブラッド自身の経験はまったく違っていたと主張し、見せかけよりも実質を重んじる指導者について語った。
「多くの人が、マルコ博士と仕事をするのがいかに難しいか、いかに苦労したか、彼がいかに扱いにくい人物で人々が彼を恐れているかといった話をするのを聞くと、面白いと思う」
「僕とって、それはいつも逆だった。僕は彼と常に非常によい関係を保ってきた」
「彼が見たいものがあるし、他の人の経験について僕が話すことではないが、僕は彼と常にとてもよい関係を築いてきたし、彼は僕のキャリアを大きく助けてくれた」
「他の人たちが信じてくれなかった時に彼が僕を信じてくれたことに、とても感謝している。彼がいなければこの機会は訪れなかっただろう」

レッドブル・ジュニア・プログラムの大きなプレッシャーに直面している10代の若者にとって、マルコの率直さは、2025年の厳しいシーズンの間の命綱となった。
「僕は言い訳や、くだらない話をする人があまり好きではないが、彼はそんなことをせず、ただ真実を語る。僕も同じようにしたいと思っている。その点では、僕は助けられたと思う」
「彼はただ真実や物事のあり方を語るので、僕は最善の方法を学び、最も速く進歩することができた。そしてその誠実さにも感謝している。なぜならモータースポーツ界には、自分が聞きたいことを話してほしいと思っている人が沢山いるからだ」
リンドブラッドが2025年のFIA F2選手権で6位につけたことは、すべてを物語るものではないかもしれない。レッドブルは、広範囲にわたるシミュレーター作業、FP1への出場、TPC(Testing of Previous Cars/旧型車を使用するテスト)を通じて、彼の進歩を支援している。
彼の自信はF1第24戦アブダビGP後に行われたヤングドライバーテストで強まった。139周を走行し、チームメイトのリアム・ローソンとわずか0.014秒差でフィニッシュした。

「僕は(レッドブルの)シミュレーションで多くのことを行っている。昨年すでに少し始めていたので、もうしばらくやっていることになる。それからもちろん、FP1の一部とTPCの走行も少し行っている」とリンドブラッドは説明した。
「だから僕はレッドブルとたくさんの仕事をしてきた」
「(僕を選ぶという)来年の決定を後押ししたのはF2だけではないと思う。僕は長い間(レッドブルと)緊密に協力してきた。僕はこのプログラムに参加して5年目になるので、全員と非常に親密な関係を築いている」
マルコの時代が終わり、リンドブラッドの時代が始まったばかりだが、メッセージは明確だ。信念、誠実さ、そして忍耐力があれば、F1への道を切り開くことができるのだ。
