スペインGPを失うバルセロナに対し、F1はベルギーとのローテーション開催を提案。長期契約を目指すトルコも脅威に
バルセロナのF1レースのプロモーターは、F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリがヨーロッパでのグランプリに導入する初のローテーションシステムにバルセロナが入ることを受け入れざるを得ないだろう。ポルトガルが2027年と2028年の2年契約を確保し、トルコもF1との長期契約獲得に近づいているのだ。
2026年に、F1とバルセロナ-カタロニア・サーキットのプロモーターとの間にあるスペインGPの開催に関する現在の契約が終了することは秘密ではない。しかし、F1との交渉が始まって以来、同サーキットの運営側は地域政府の強力な支援を得ており、F1カレンダーにバルセロナのための永久的な枠を確保すべく新たな契約の締結を主張している。
バルセロナ側はまた、F1パドックで広く信じられていたように、マドリードが2026年に最初のグランプリを開催する準備を整えられないことを望んでいた。しかし、マドリードの市街地サーキット『マドリング』の建設の監督にヘルマン・ティルケが起用されて以降、物事は急速に動き始めており、F1はすでに各チームに対し、マドリードでのスペインGPが2026年9月の2回目の週末に予定どおり開催されることを告知している。

現在バルセロナに提示されているのは、F1がベルギーのスパ・フランコルシャンでレースを開催しない2028年から、2年ごとにレースの将来を確保する新たな契約で、さらに2030年と2032年のふたつのイベントも保証されている。つまり、ドメニカリはふたつのイベントを6年間のローテーションで開催すべく計画を立てているということで、カレンダーは毎年調整される。バルセロナのレースはモナコGP翌週に開催する必要があり、ベルギーGPはサマーブレイク後の現在の枠を維持するか、イタリアGPの1週間前の従来の日程に移される予定だ。
バルセロナのプロモーターは、すぐにでも新たな契約に署名した方がよいだろう。なぜなら競争は激しく、ポルトガル政府が2028年以降もグランプリを開催するために、新たな契約を模索していることをすでに示唆しているのだ。バルセロナが近々提示される契約にサインしない場合、ポルトガルはローテーションシステムに入る可能性があり、バルセロナはF1カレンダーから完全に外れてしまうことになる。
バルセロナにとってもうひとつの脅威は、トルコGPだ。F1は夏の終わりに同レースのプロモーターに5年間の固定契約を提示したが、契約締結前にイスタンブール・パーク・サーキットの重要な改修を確保することを要求した。多額の投資をするために政府の支援を必要とする地元のプロモーターたちは、これに足を引っ張られたが、それでもF1界は、同レースは近い将来にカレンダーに戻ってくるものと予想している。
