【2025年F1トップ10ドライバー】10位アントネッリ/強力なチームメイト相手に善戦。疑念を払拭してみせたルーキー
2025年F1シーズンを通して、毎戦全ドライバーの仕事ぶりを詳細にチェックし、トップ5ドライバーを選出してきたベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、シーズン全体を振り返り、独自の視点で2025年のトップ10ドライバーを挙げた。10人のドライバーについての彼のレビューを添えて、カウントダウン方式で10位から1位までを紹介していく。
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2025年の優秀ドライバー10位をアンドレア・キミ・アントネッリに決めるのは簡単ではなかった。他にオリバー・ベアマン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)らも、選出される資格があったからだ。いずれのドライバーも大きなハイライトと少なからぬ低迷を経験したが、アントネッリを選んだのは、最高のパフォーマンスを見せた瞬間が極めて印象的だったこと、そしてルーキーでありながら最強クラスのチームメイトを相手に善戦したことを考慮したためである。

アントネッリがF1デビューシーズンにメルセデスのような競争力のあるマシンを最大限に活用できるかどうかを疑っていた人々も、彼がマイアミのスプリント予選でポールポジションを獲得したことで、現実を認めざるを得なくなった。アントネッリはさらに、最初の6戦のうち5戦でトップ6フィニッシュを果たし、すでに安定して高い競争力を発揮できることを示した。
彼がよく知るヨーロッパのサーキットでは、過剰な期待を背負った影響もあってか、小さなミスを重ねた。また、W16のサスペンション変更によって、彼にとってはマシンが非常に扱いにくくなったことにも影響を受けた。しかし、モンツァ後にメルセデスから適切な助言が与えられ、チームが以前の技術的ソリューションにに戻し、さらにアントネッリ自身が再び未経験のサーキットでは、慎重に取り組み始めて徐々にスピードを積み上げていくというアプローチを採ったことが、功を奏したようだ。

アントネッリは、メキシコ、ブラジル、カタールではジョージ・ラッセルを上回る速さを見せ、ルーキーシーズンを良い形で締めくくった。重要な2026年シーズンを前に、ラッセルは若きチームメイトに対し、強い警戒心を抱いていることだろう。
