2025.12.20

【F速プレミアム】
グランプリのうわさ話:フェラーリ、メルセデスから多数のスタッフを引き抜き戦力強化


(c)XPB Images
 事件はサーキットの外でも起きている。もちろん、サーキットの中で起きているのは言うまでもない。水面下で蠢くチーム、ドライバー、グランプリにまつわる未確認情報を調査員が独自に調査。送られてきた報告書を公開する。
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 フェラーリは最近、メルセデスにいたふたりの若いエンジニアを雇った。このことは、ロイック・セラがマラネロに着任したことに直接起因している。彼は、フレデリック・バスールからのオファーを受け入れる前はメルセデスのパフォーマンスディレクターを務めていた。チーム代表は、80人から100人の従業員を失っていることから、同時期に同数の新規スタッフを雇うのは普通のことだと強調したがっているが、ここ数カ月はブラックリーからやってくる新規スタッフの割合が増加している。
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 もちろんセラは14年間メルセデスに在籍したので、その間にブラックリーのシャシーのファクトリーで働く全員と知り合いになっており、一緒に仕事をするためにかつての同僚の何人かをフェラーリに引き抜くのは当然のことだ。航空宇宙エンジニアのシァイド・ファルザンドは、今月初めにタイヤエンジニアリングスペシャリストとしてスクーデリアに加入し、メルセデスで得たシニアパフォーマンスおよびシミュレーションエンジニアとしての経験を生かすことになる。

 タイヤマネジメントは今のF1で重要な要素であり、すべてのチームがこの分野に投資している。ライバルチームからファルザンドを獲得することで、フェラーリはメルセデスがこの分野にいかにして取り組んでいたか、貴重な洞察を得ることになるだろう。

 イタリア出身のジュリア・ゾッピーニも、メルセデスからフェラーリに乗り換えた。それまで彼女は、大学を卒業してすぐ若きエアロダイナミシストとしてブラックリーで2年間仕事をしていた。ゾッピーニは、2年前に同じように移籍をしたもうひとりの元メルセデスのエアロダイナミシストであるステファノ・ボンシニョーレと合流することになる。

■フェラーリ社の副社長が脚光
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 フェラーリは先週のFIA表彰式に派遣された代表者に関して、非常に重要な選択をいくつか行い、スクーデリアが細部にまで気を配っていることを示した。フレデリック・バスールの指導の下、このイタリアのチームはF1と世界耐久レースの両方でモーターレースのトップに返り咲くべく努力している。

 フェラーリが50数年ぶりにWECで優勝したため、同社社長のベネデット・ビーニャ、あるいは筆頭株主のジョン・エルカーンが賞金を受け取るためにタシケントに赴くのは当然のことと思われていたが、エルカーンは自身に代わってピエロ・フェラーリを派遣した。フェラーリ社の創始者の息子であるピエロ・フェラーリは、前経営陣によってほとんど脇に追いやられていたが、FIAの祝賀会でふたたび脚光を浴び、フェラーリがその歴史を重視していることが示された。

 そして、スクーデリアがシャルル・ルクレールをいかに高く評価しているかを示す、予定外のふたつ目の決断を下したのはピエロ・フェラーリだった。ルクレールが受け取る賞品はなかったが、フェラーリを代表してピエロ・フェラーリに同行し、その後彼にステージに呼ばれて賞品の受け取りを手伝った。

 ピエロ・フェラーリは、ルクレールにフェラーリを代表させることで、スクーデリアがルクレールの貢献をいかに高く評価しているかを示した。ルクレールも、今後どのチームでレースをしたいか決める時が来たら、このことを忘れることはないはずだ。

■マイケル・マシがディレクターとして国際レースに復帰
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 2022年に解任されたF1レースディレクターのマイケル・マシは、モータースポーツ・ニュージーランドからRepco NextGenニュージーランド選手権のイベントディレクターに任命され、2026年初頭に国際レースに復帰する。

 マシは2021年最終戦アブダビGPでレギュレーションに反する形でセーフティカーを運用したことで、ルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンのタイトル争いに影響を与え、ハミルトンがタイトルを逃す形となってしまったことで大きは批判を浴びていた。F1レースディレクターとしてはおそらく最大の失策の主役となってから4年後、マシはニュージーランド選手権のレース役員と運営チームの責任者となる。

 母国で数年間国内レースに携わった後、マシは自身に与えられた新たな挑戦に明らかに喜びを感じており、「ニュージーランドはこのスポーツにおいて非常に豊かで誇りある伝統を持っている」と述べ、さらに「モータースポーツ・ニュージーランド、トヨタ・ニュージーランド、Repco NextGenニュージーランド選手権と提携し、サポートすることを非常に楽しみにしている。すべての参加者と利害関係者のために、このスポーツの継続的な向上を推進していく」とつけ加えた。

 一方、モータースポーツ・ニュージーランドのデボラ・デイ会長は、「マイケルの世界最高レベルのモータースポーツでの経験は、私たちのシステムを磨き上げ、選手権のレベルを高めて、オフィシャルをサポートする上で役立つでしょう」と述べ、「彼の就任は、スポーツの近代化、能力開発、そして長期的な成功に向けた私たちの幅広い戦略における重要な一歩です」と締めくくった。

(Translation: AKARAG)

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