【決勝日コメント】
ザウバーのボルトレート、“情状酌量の余地のない接触”で次戦5グリッド降格「僕のミス。謝りたい」僚友は再び入賞
2025年F1ラスベガスGP決勝で、キック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは7位入賞を果たした。ガブリエル・ボルトレートは2周リタイアに終わった。
11番グリッドのヒュルケンベルグは、最初にハードタイヤを履き、最初のスティントを長く取り、4番手まで上がったところで、30周目にミディアムに交換した。セカンドスティントは9番手の位置から開始。後ろは同じ戦略で走るルイス・ハミルトン(フェラーリ)だったが、ヒュルケンベルグは徐々にギャップを拡大していき、全く寄せ付けることなく9位でフィニッシュした。レース後、マクラーレン2台が失格になったため、ヒュルケンベルグは7位に繰り上がった。ヒュルケンベルグの入賞はこの4戦中3回目。
ボルトレートは18番グリッドからスタート。ターン1にブレーキングを遅らせて飛び込み、ランス・ストロール(アストンマーティン)にヒットした。ボルトレートはマシンにダメージを負い、2周でリタイア、ストロールは0周リタイアという結果になった。
このインシデントは審議対象になり、スチュワードは、ボルトレートに対し、次戦カタールでの5グリッド降格とペナルティポイント2点(12カ月間の累計2点)を科した。
スチュワードはペナルティについて、次のように説明している。
「5号車のドライバー(ボルトレート)は極めて遅いタイミングでのブレーキングを行い、その結果18号車(ストロール)と接触した。これは1周目のターン1でのインシデントではあったが、情状酌量の余地は存在せず、したがって標準の10秒ペナルティが適用される事案である。しかし5号車がリタイアしたため、我々のガイドラインに従い、ペナルティはドライバーが次に参加するレースにおけるグリッドペナルティに転換される」

キック・ザウバーは現在コンストラクターズ選手権7位をライバルたちと激しく争っている。ラスベガスを終えた段階で、ハースがひとつ順位を上げて7位(73点)、アストンマーティンが8位に下がり(72点)、キック・ザウバーは今回6ポイントを稼ぎ合計68点とし、ライバルたちとの差を大きく縮めた。

■ニコ・ヒュルケンベルグ(ステークF1チーム・キック・ザウバー)
決勝=7位(50周/50周)
11番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム
「今日もまたポイントを持ち帰ることができた。この結果には満足していいと思う。おそらく、これがこれが獲得可能な最大の結果だった。前方でフィニッシュしたドライバーたちは全員グリッドの時点で前方にいたし、なおかつペースも僕たちより優れていたからね。僕たちがこの位置でフィニッシュできたのは、良い仕事をしたからと言えるだろう」
「低デグラデーションのレースで、大きな変動がないなか、僕たちはクリーンで堅実な1ストップ戦略を実行した。チームは素晴らしい仕事をしてくれたと思う」
「ハードタイヤでのファーストスティントはとても好調だった。レース序盤には接近戦の中でタイヤをマネジメントする必要があったが、しっかりやり切れた。チームにとって重要な2ポイントを獲得できたし(注:実際には6ポイント)、ランキング争いはまだかなりの接戦なので、すべてはこれからだ」

■ガブリエル・ボルトレート(ステークF1チーム・キック・ザウバー)
決勝=リタイア(2周/50周)
18番グリッド/タイヤ:ハード→ミディアム

「まず最初に、ランスに謝罪したい。あれは僕のミスだった。良いスタートを切り、ウイリアムズのイン側に仕掛けようとしたが、その時点でブレーキングポイントを数メートル誤っており、もはやマシンを適切に減速させるには遅すぎた。オーバーラン気味に進入して、コーナーを曲がる角度が取れず、彼にヒットしてしまった」
「予選までは週末が良い流れに見えていただけに、1周目のミスでふたりのレースを台無しにしてしまったのは残念だ。残り2戦はすべてをうまくまとめ上げる必要がある。クリーンなラップ、クリーンな週末を過ごさなければならない。この2戦を完走できなかったことで、本来得られたはずの走行経験を失ってしまった」
「これを学びに変え、リセットし、来週ドーハへ向かうにあたり、以前見せてきたパフォーマンスレベルを確実に取り戻したい」
