【決勝日コメント】
技術規則違反でポイントを失ったノリス&ピアストリ「パフォーマンス追及のバランスを誤った」代表がふたりに謝罪
2025年F1ラスベガスGP決勝で、マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリは、それぞれ2位と4位でフィニッシュした後、技術規則違反により失格となった。
ポールポジションを獲得したノリスは、スタートで2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えようとしてコースからはみ出し、フェルスタッペン、ジョージ・ラッセル(メルセデス)の後ろ3番手に落ちてしまった。
17周目にラッセルがピットインしたことで、ノリスは2番手に。22周目にミディアムからハードへのタイヤ交換を済ませると、再びラッセルの後ろに戻り、34周目にコース上でオーバーテイクし、2番手に上がった。そこから首位のフェルスタッペンを追ったノリスだが、思うようにギャップを縮めることができず、終盤には大きくペースを落とし、20.741秒差の2位でフィニッシュした。
5番グリッドのピアストリは、1周目にリアム・ローソン(レーシングブルズ)との接触の後、7番手に落ち、ローソンのピットインで6番手に。その後、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に抜かれたが、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)をかわした後、21周目にミディアムからハードにタイヤを交換した。
31周目に5番手に浮上、前を行くアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に1秒前後まで迫ったが、抜くことができず、背後のルクレールに対してディフェンスしつつ、ポジションが変更することなく5位でフィニッシュ。アントネッリがペナルティで後退したため、4位に上がった。
しかしレース後の車検で、マクラーレンの2台のマシン底面のプランクアセンブリの厚さが許容最小値9mmを下回っていたことが発覚。ノリス車はリヤのスキッドが最大0.12mm、ピアストリ車は最大0.26mm足りず、技術規則の違反と判断され、失格となった。

これによってドライバーズ選手権争いの状況が大きく変わった。失格前はノリス408点、ピアストリ378点、フェルスタッペン366点だった。しかし失格後、ノリス390点、ピアストリ366点、フェルスタッペン366点に変わり、ピアストリとフェルスタッペンは同点、ポイントリーダーのノリスとのギャップは、ピアストリ、フェルスタッペンともに24点となった。
アンドレア・ステラ代表は、ドライバーふたりに対して謝罪した。
「レース中、両車はフリー走行では見られなかった予期せぬ激しいポーパシングを経験し、それが路面との過度な接触につながった。我々はこのマシンの挙動の原因を調査しており、レース後に発見した両車が受けた偶発的な損傷の影響も含めて検証している」
「FIAが指摘したように、この違反は意図的なものではなく、規定を回避しようとする故意の試みはなく、軽減すべき状況も存在していた」
「週末を通じてふたりが強力なパフォーマンスを見せた後、チャンピオンシップ争いの重要な時期にポイントを失ったことについて、ランドとオスカーに謝罪する。チームとして、我々にとって非常に大きな意味を持つサポートをしてくださるパートナーとファンの皆様にも謝罪したい」
「この結果は極めて残念であるが、我々はシーズン最後の2レースに完全に集中し続ける」

■ランド・ノリス(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)
決勝=失格:2位フィニッシュ(50周/50周)
1番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード
「今日は本当にフラストレーションのたまる終わり方になった。レース終盤に向けてマネジメントが必要だったのだが、その理由はマシンの問題だったことが分かった。そして、結果的に残念ながら失格になってしまった」
「これほど多くのポイントを失うのは本当に悔しい。チームとして常に可能な限りのパフォーマンスを追求しているが、今日は明らかにそのバランスを正しく取れなかった。今となってはどうしようもないので、気持ちを切り替えてカタールに集中する。すべてのセッションで可能な限り最高のパフォーマンスを発揮することを目指す」
■オスカー・ピアストリ(マクラーレン・フォーミュラ1チーム)
決勝=失格:4位フィニッシュ(50周/50周)
5番グリッド/タイヤ:ミディアム→ハード

「スキッド摩耗による不運な失格のせいで、この週末をノーポイントで終えることになり残念だ。各車がこれほど僅差の現状において、どこでパフォーマンスを得られるか常に探っているが、今回はそれが正しくできなかった」
「今は気持ちをリセットし、集中し直して、最後の2ラウンドで可能な限り多くのポイントを獲得するために全力を尽くす必要がある。どちらのサーキットも、これまでに強さを見せてきた場所だ」