マクラーレンの2台失格が確定。スキッド摩耗で情状酌量は認められず。フェルスタッペンが選手権首位に大きく近づく
マクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリが、技術規則違反により、F1第22戦ラスベガスGPの決勝リザルトから除外されることが正式に発表された。マシン底面のリヤ側のスキッドブロックが過度に摩耗し、厚さが規定されている最小値9mmを下回っていた。

ラスベガスでノリスは2位、ピアストリは4位でフィニッシュしていたが、この順位がはく奪された。ふたりがリザルトから除外され、その他のドライバーたちが繰り上げられる。
FIAは「今回の違反は故意ではない」と表明している。マクラーレンは違反が起きた原因として、今回のレースで通常より大きな予期せぬポーパシング現象が発生していたこと、初日の天候によりテストの機会が限られ、加えてプラクティスが短縮されたことなど、情状酌量の余地があると主張した。また、2025年における同規則違反の事例と比べても、違反の程度が小さいと主張した。
しかしFIAは、規則上も、また前例上も通常のペナルティ(すなわち失格)以外を科す規定は存在しないと述べた。チームはフロアが偶発的な損傷を受け、その結果として位置が変動し、追加の摩耗につながった可能性があると主張したが、スチュワードはこれをペナルティ軽減の根拠として十分とは認めなかった。

マクラーレンはすでに2025年コンストラクターズタイトルは獲得済みだが、ドライバーズ選手権を、ノリス、ピアストリ、フェルスタッペンが争っている状況だ。ランキング3位のフェルスタッペンは、ラスベガスで優勝したものの、2位でフィニッシュしたポイントリーダーのノリスとの差は42点あり、残り2戦で上回るのは難しいとみられた。
ところが、マクラーレンのふたりがノーポイントとなったことで、フェルスタッペンとピアストリは同ポイントとなり、ノリスとフェルスタッペンのポイント差は24ポイントに縮まった。これはスプリントを含む残り2戦で逆転可能なギャップといえるだろう。
