2025年F1第22戦ラスベガスGP 角田裕毅(レッドブル)

【】僚友とフロアを比較、最新版は「ステップアップしている」黄旗と中断でタイム更新ならずも手応え【角田裕毅F1第22戦展望】

11月22日

 2025年F1第22戦ラスベガスGP、初日15番手──ポジションだけを見れば、角田裕毅(レッドブル)のラスベガスGP初日の調子はいまひとつのように錯覚してしまう。しかし、これはフリー走行2回目で角田がソフトタイヤでのタイムアタックを完了できないまま、セッションが終了したからだった。

【角田裕毅F1第22戦展望】
2025年F1第22戦ラスベガスGPフリー走行2回目 角田裕毅(レッドブル)

 その理由はふたつあった。ひとつ目は、アタックに入った直後のターン5で前を走っていたピエール・ガスリー(アルピーヌ)が曲がりきれずにエスケープゾーンへ直進してしまい、イエローフラッグが出されたために、アクセルをバックオフしなければならなかったからだ。

 そのことを角田がレースエンジニアのリチャード・ウッドに伝えると、ウッドから「次のラップにもう1回、行こう」と指示が飛ぶ。そこで、次の周にアタックを再開すると、今度はターン9を過ぎたところで、赤旗が出されてしまう。それがふたつ目の理由だった。

 セッションはここで一時中断となり、現地時間20時54分に再開されたが、直後に再び赤旗が出て、そのまま終了。つまり、角田の15番手のタイムはセッション前半にミディアムタイヤで記録したものだった。

【角田裕毅F1第22戦展望】
2025年F1第22戦ラスベガスGPフリー走行2回目 角田裕毅(レッドブル)

 角田も「FP2(フリー走行2回目)はコースに問題が起きて中断が相次ぎ残念でした」と語った後、「それでもペースは維持できていると思います」と、手応えをつかんでいる。その証拠に、フリー走行1回目では3番手のタイムをマーク。チームメイトのマックス・フェルスタッペンを上回った。ただし、これは2台でマシンの仕様が異なっていたためだ。

「2台で異なるセットアップをテストできたのもよかったです。これからデータを確認して、金曜日はそれらを統合していくことになるでしょう」(角田)

 異なるセットアップのひとつが、フロアの違いだ。今回レッドブルはラスベガス・ストリップ・サーキットに合わせて、モンツァ仕様をモディファイしたラスベガス仕様のフロントウイングを持ち込んだ。これはフェルスタッペンだけでなく、角田も使用していた。

【角田裕毅F1第22戦展望】
2025年F1第22戦ラスベガスGP ラスベガス仕様のフロントウイングを装着したレッドブルRB21(写真は角田裕毅のマシン)

 ただし、フロアは角田が最新バージョンを使い、フェルスタッペンはひとつ前のバージョンを使用していた。これは前戦サンパウロGPの予選とレースと同様だ。サンパウロGPでそうなった理由を角田は次のように語る。

「第20戦メキシコシティGPから投入された新しいフロアは、メキシコシティGPではマックスしか使用しておらず、僕はサンパウロGPが初めてだったので、それを使って予選とレースでどうなるかを試したかった。それと、チームからは依然として新しいフロアのほうがパフォーマンスがいいと聞かされていたので、それを使い続けました。サンパウロGP後、チームは走行データを見ているので、その結果を元にラスベガスGPでどちらのフロアを使用するか決めることになると思います。僕としては新しいフロアはステップアップしていると思います」

 果たして、グランプリ2日目の金曜日に角田はどちらのフロアを使用するのか。そして、そのフロアでフリー走行1回目のように、力強いタイムを刻めるのか。昨年、予選7番手を獲得した相性のよさを今年も見せてほしい。



(Text : Masahiro Owari)