メルセデス代表、保有する33%のチーム株式の一部を売却か。チーム側は「統治体制に変更はない」と主張
ビジネス系ウェブサイト『Sportico.com』によると、メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チームのチーム代表を務めるトト・ウォルフは、F1の金融バブルを最大限に活用し、メルセデスF1チームの株式33%のうちのごく一部を売却する予定だと報じられている。買い手候補、または買い手たちの身元は明らかにされていないが、記事によると、ウォルフは売却する株式に対して3億ドル(約464億2400万円)の支払いを求めており、それによるとメルセデスF1チームの評価額は60億ドル(約9285億円)という驚異的なものになる。
わずか1カ月前、バーレーンの政府系ファンドによるマクラーレンF1チームの完全買収により、同チームの評価額は47億ドル(約7273億2700万円)とされた。そのため、ウォルフの取引が実現すれば、F1チームの評価額としては新たな記録を樹立することになる。

Sportico.comから連絡を受けたチーム広報担当者は、この件については「コメントを差し控える」と記した上で、「チームの統治体制に変更はなく、3者のパートナー(メルセデス・ベンツ、トト・ウォルフ、INEOS)は、メルセデス・ベンツのF1における継続的な成功に全力で取り組んでいる」と述べた。
これは、ウォルフがチームの株式の一部を手放す用意があるように見える一方で、彼がメルセデスF1のCEOおよびチーム代表としての地位を維持し、新しい投資家は取締役会のすべての決定において彼とともに投票することに同意することを示している。そのため、チーム内でのウォルフの地位と権力は影響を受けない。ウォルフは、メルセデス・ベンツAGおよびイギリスの化学大手企業『INEOS』(イネオス)と同等の株式を保有していると再認識すべきだろう。
この株式売却は、今後数カ月で耳にする最後のニュースではないだろう。アルピーヌ、アストンマーティン、アウディなど、複数の株主を持つ他のチームでも、投資家の一部が売却を決め、初期投資から巨額の利益を上げて、特に3〜5年前と比べると驚異的なF1チームの現在の価値を最大限に活用するかもしれない。

