【】ノリスが大荒れのスプリントを制す。ピアストリ失意のリタイア【レポート/F1サンパウロGP】
11月9日
11月8日、2025年F1第21戦サンパウロGPのスプリントが行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がトップチェッカーを受けた。2位はアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)、3位はジョージ・ラッセル(メルセデス)となった。ピットスタートの角田裕毅(レッドブル)は14位となった。
今季6戦で実施されるスプリントイベントの5戦目となった今大会の舞台はブラジルのインテルラゴス・サーキット。雨上がりで路面はところどころ濡れており、ホームストレートではレコノサンスラップの段階から水飛沫が舞い上がる状況だったが、全車がドライタイヤを装着した。
タイヤコンパウンドは20台中14台がミディアムタイヤ(イエロー/C3)を装着。一方、2番グリッドのアントネッリ、4番グリッドのラッセル、6番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、8番グリッドのシャルル・ルクレール(フェラーリ)、9番グリッドのアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、12番グリッドのアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)という6台がソフトタイヤ(レッド/C4)を履いた。

現地時間11時過ぎ。24周のスプリントは気温23度、路面温度25度、湿度75パーセントのなかで開始された。ポールシッターのノリスがホールショットを守り、トップ4はグリッド順をキープする。
そんななか、ソフトを履くフェルスタッペンがフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)をかわし、スタート直後に5番手に浮上する。また、1周目のターン4ではリアム・ローソン(レーシングブルズ)がオリバー・ベアマン(ハース)に接触し、弾みでスピンを喫したベアマンは3つポジションを下げてしまう。

スタート後の混乱が落ち着いた6周目に戦局は一変した。3番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)がターン3内側の濡れた縁石で足元をすくわれクラッシュ。1ポイント差でランキング首位ノリスを追うピアストリだったが、これでスプリントをノーポイントで終えることに。
ピアストリのクラッシュ直後には、同じくターン3でニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、フランコ・コラピント(アルピーヌ)が単独スピンからクラッシュ。ヒュルケンベルグは自走でピットに戻ることが叶ったが、この一瞬でピアストリとコラピントがリタイアとなった。


車両回収とバリア修復のため、スプリントは8周終了時点で赤旗中断に。この赤旗中に全車がタイヤを履き替え、首位のノリスはソフトタイヤに。2番手アントネッリ、3番手ラッセル、4番手フェルスタッペンはミディアムタイヤへとコンパウンドを変えている。
20分ほどの赤旗中断を経て、9周目にローリングスタートでスプリントは再開された。リスタート直後にはフェルスタッペン(ミディアム)とアロンソ(ソフト)が激しい4番手争いを展開するが、ここはフェルスタッペンがポジションを死守した。
14周目を迎えるころにはアロンソのペースが落ち、フェルスタッペンとアロンソは4.3秒まで広がった。そのアロンソの0.3秒後方に6番手ルクレール、0.7秒後方に7番手ルイス・ハミルトン(フェラーリ)と続き、中段勢はアロンソを先頭とするトレイン状態が続いた。

18周目を迎えるころ、アロンソと同じくソフトタイヤを履く首位ノリスのペースダウンが顕著となり、ノリス本人も「リヤタイヤに苦労しているんだ」と無線を飛ばす。20周目を迎えると、2番手アントネッリがノリスとのギャップを1秒以内に縮め、21周目には0.4〜0.6秒差まで縮まった。
一方、22周目のターン4でルクレールがアロンソを攻略し4番手に浮上する。ただ、4番手フェルスタッペンまでは10秒近いギャップが開いており、ルクレールの猛追はここまで。



ファイナルラップを迎えた24周目、ターン1で11番手走行中のガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がかなり激しいクラッシュを喫した。このアクシデントでイエローフラッグが振られるなか、首位を守り続けたノリスがトップチェッカーを受けスプリント勝利を飾った。2位にアントネッリ、3位にラッセルが続いた。
スプリントでは上位8台までがポイント獲得となるなか、4位フェルスタッペン、5位ルクレール、6位アロンソ、7位ハミルトン、8位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)までがポイント獲得となった。
角田は14位でスプリントを終えた。なお、激しいクラッシュを喫したボルトレートはチームからの無線に対し「大丈夫だ」と応えている。
続いて日本時間9日3時(現地時間8日15時)からは、10日に行われる71周の決勝レースのスターティンググリッドを決める公式予選が行われる。
(Text:autosport web)

