
【】RB21の継続的な進歩をメキース代表が評価「特効薬はないが、アップデートの流れは良好」/レッドブルF1
10月8日
レッドブルはF1第18戦シンガポールGPで勝利を収めることはできなかったものの、週末を通してマックス・フェルスタッペンが力強いパフォーマンスを見せたことで、チームがRB21のセットアップ作業において転機を迎えたことが示された。
昨年チームが大いに苦戦したコースで、フェルスタッペンはジョージ・ラッセル(メルセデス)に僅差で抜かれてポールポジションを逃したが、その後のナイトレースを通して2番手を維持し、チェッカーフラッグを受けるまでランド・ノリス(マクラーレン)からのプレッシャーに耐え抜いた。
■「アプローチを変えるつもりはない」ペース向上の過程に代表が自信
第16戦イタリアGPと第17戦アゼルバイジャンGPでの2度の圧倒的勝利を経たレッドブルは、シンガポールのマリーナベイ・サーキットの高ダウンフォース特性がマシンの弱点を露呈することを懸念していたが、フリー走行開始時からフェルスタッペンがペースに乗っていることは明らかで、その勢いはレース終了まで続いた。
チーム代表のローレン・メキース「金曜日から正しいペースを維持できていたと思う。予選ではよいペースで走れていたし、ポールポジションにも非常に近く、決勝でも適切なペースだった」と認め、次のように続けた。
「ラッセルと数秒差でフィニッシュしたが、これはよいニュースだ。なぜなら、我々が見出しつつある可能性が、荷重とダウンフォースに固有のものだけではなく、より優れたメカニカルバランスにも影響していることを意味するからだ」
チームがRB21から、シーズン序盤以来見られなかったスピードを引き出していることに自信を深めたメキースは「我々はアプローチを変えるつもりはない。我々はレースごとに取り組み、学び続けていく」と誓った。
チームはオランダGP以降、異なるセットアップ方針にもとづいてRB21を運用してきたため、メキースは「今回のレースで多くのことを学ぶことができたので、将来的にパフォーマンスをさらに発揮させることができるかもしれない」と説明したが、彼は次のように指摘を続けた。
「(次の)オースティンはまったく異なる状況になるだろう。またしてもマクラーレンと相性の良い中速コーナーに戻ることになる。たとえば、ここ(マリーナベイ・サーキット)で見られたターン5やターン9だ。そしてオースティンだけでなく、メキシコにもこうしたタイプのコーナーがたくさんある」
メキースは、自身がチームを引き継いで以来、RB21が明らかに前進しているにもかかわらず、自身の功績を認めることはせず、「モンツァで言ったように、私の貢献はゼロだ」と主張し、むしろファクトリーとコースの両方でチームが行った仕事を称賛することを選んだ。
「ミルトンキーンズでは最初のレースから今まで、全員が非常に懸命に取り組んできたし、このマシンの潜在能力を引き出そうと決して諦めなかった。ここ数週間の進歩は、実に目覚ましいものだったと言っても過言ではない」
「そしてもう一度言うが、すべての人々の功績を忘れてはならないし、ファクトリーのメンバーは決して諦めなかった。マックスは、その感受性で我々にさまざまな道を模索するよう促してくれたので、彼の功績も大きい。そしてついに、パフォーマンスを少し向上させる方法を見つけたんだ」
「特効薬はない。アップデートの流れは良好で、マシンを走らせる方法にもさまざまなやり方がある。これらを適切に組み合わせることで、ほとんどのコースで優位性を獲得できるかもしれない」
「過去を振り返り、年初のものをしっかりとアップグレードできた。今現在の我々がどこにつけているのか話すのは非常に難しいが、すでに我々は過去を振り返っているのではなく、未来を見据えている」とメキースは締めくくった。

(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)