
【】マクラーレン代表、“レースをさせる”方針を維持。接触をドライバーとともに見直しへ「実りのある会話に繋がる」
10月7日
マクラーレンのチーム代表を務めるアンドレア・ステラは、チームのコンストラクターズ選手権連覇という歴史的な結果に集中したかった日に、ますます悪名高くなっているパパイヤルールを擁護せざるを得なくなった。
F1第18戦シンガポールGPの決勝レースの1周目、マクラーレンのランド・ノリスがチームメイトのオスカー・ピアストリを追い抜き、その後両者は接触した。インシデント自体について、ステラは「我々のふたりのドライバー間の接触は、実際にはランドと(レッドブルのマックス・)フェルスタッペンの間で起こった別のレース状況による結果だった」と説明した。
「接触そのものはあったため、これは検証とよい話し合いにつながるだろう。だがあの時点では、この接触は別のレース状況の結果だと考えていた」

これは、事態をそのままにしておくというチームの決定をステラが擁護するということだ。
「ドライバーたちと一緒に状況を検討する。たとえばカナダGPの後のような、素晴らしい会話を我々は行うだろう。そしてこの見直しにより、我々はチームとしてさらに団結し、強くなって戻ってくる機会を得ることができた。我々のアプローチに関して、何か学んだことや微調整が必要な点があるかどうか確認していく。これは実りのある会話につながると考えている」
「ドライバーたちと会話を始めるたびに、前提としてこれは難しいことだと常に自分たちに再認識させている。なぜならこれは、チームとしてともにレースをする際に、ふたりのドライバーにまったく同じ関心を持つことができない唯一の理由であり、彼らは自分の夢を追い求めたいと思っているからだ。これがマクラーレンでのレースのやり方の基本原則だ」
一方でステラは、「我々はこの『彼らにレースをさせる』というコンセプトを守りたい」と主張した。
「このコンセプトを採用すると、すぐに困難に直面することを我々は知っている。我々は自分たち自身に言い聞かせている。しかしある意味では、この認識、自己意識のなかでこそ、我々は会話を展開していくし、徹底的に行う必要がある。そしてアプローチする際には誠実さも持たなければならない」

ステラは改めてこのコンセプトに沿って戦ってきたドライバーたちを称賛し、次のように語った。
「ランドとオスカーがこれまでのプロセスに参加してくれたことをとても誇りに思う。なぜなら、我々がいわば困難なこれらの要素を乗り越えることができたのは、ランドとオスカーが関わっていたからだ。彼らが本当に素晴らしい人物であり、素晴らしい貢献者であることが、これまでの成功の理由だ」
「そして、我々は彼らとレースを続ける残りの長い年月の間、このことを確実に真実とするために懸命に取り組んでいく」
この強制的な平和がどのくらい続くかは時が経てばわかるだろうが、ドライバーズ選手権におけるピアストリとノリスの差は22ポイントと1回のレース優勝分もないほど縮まっているため、すぐにでも激しい攻防が繰り広げられても驚きではないだろう。

(Text : GrandPrix.com / Translation:AKARAG)