アルピーヌの来季空席をつかむのはコラピントか。ブリアトーレが評価を引き上げ、プレッシャーへの無理解を自省
フランコ・コラピントがアルピーヌに残留し、2026年以降もF1に参戦する可能性は、ここ数週間で大幅に高まっている。第7戦エミリア・ロマーニャGPでジャック・ドゥーハンの後任としてチームに加わった後、ピエール・ガスリーのペースに追いつくことができず、さらに不必要なクラッシュを複数回起こしたため、コラピントは早ければシーズン中にも解雇される危機に直面していた。
エグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、バルテリ・ボッタスに対して、今季中から、あるいは2026年にアルピーヌで走ってほしいというオファーをしたものの、ボッタスはこれを断った。その後、ブリアトーレは、今季中にコラピントの代わりに他の若手を乗せるというアイデアも見送ることにした。
そのため、リザーブドライバーのポール・アーロンは引き続き現在の役割に集中し、フェリペ・ドルゴヴィッチも、当面は待機状態に置かれることになった。
コラピントはサマーブレイク後にパフォーマンスを向上させてきている。イタリアGPでは予選でチームメイトであるガスリーのひとつ上の順位を獲得した。それだけでなく、これまで見られたようなミスが減っており、ブリアトーレはコラピントが2026年もチームに残る可能性が以前よりも高まったと認めている。
ドイツの自動車誌『Auto Motor und Sport』の取材に対し、ブリアトーレは次のようにコメントした。
「コラピントは序盤は期待外れだった。我々は彼がもっと良い成績を出すと思っていた。しかし今では徐々に調子を上げている。車への理解も深まり、より快適に感じている」
ブリアトーレは、「振り返れば、我々は若手ドライバーが受けるプレッシャーを過小評価していた」と珍しく自省した。
「アルピーヌはファクトリーチームであり、プレッシャーはより大きい。また、厳しいシーズンでは、プレッシャーはさらに増幅される」
「ルーキーは小規模チームでの方が容易に活躍できる。(レーシングブルズのアイザック・)ハジャーや(キック・ザウバーのガブリエル・)ボルトレートを見れば分かる」
2026年のガスリーのチームメイト候補として、ブリアトーレはふたりを除外しているようだ。「ドゥーハンは事故が多すぎた」、そして「ミック・シューマッハは候補リストに入っていない」と、ブリアトーレは述べている。
ブリアトーレは、コラピントとアーロンのパフォーマンスを引き続き注視し、ドゥーハンも旧型マシンでのテストに参加させる計画だという。
「経験あるふたりのドライバーがキャデラックに加入することになった。我々は、残りのシーズンで自分たちの若手ドライバーたちがどのような結果を出すかを見ていく。我々にはコラピントとアーロンがいる。そして再度ドゥーハンもテストで走らせる予定だ」とブリアトーレは明かした。
ドゥーハンは2024年仕様のマシンでテストを行うものとみられる。アルピーヌはドゥーハンだけでなく、アーロンやFIA F2に参戦するクッシュ・マイニも走らせるための集中的なプログラムを計画している。