2025.09.18

ピットレーンから10位入賞。将来のレッドブル移籍に近づく着実な走りで再び評価を受けたハジャー【ルーキー・フォーカス】


2025年F1第16戦イタリアGP アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)
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 2025年F1第16戦イタリアGPが開催されたモンツァで、週末注目を集め続けたのはアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)だった。

 グランプリ開幕前日の木曜日にレーシングブルズが開いた記者会見には、多くのメディアが詰めかけた。それは、ハジャーが前戦オランダGPで3位表彰台を獲得していたからだ。レッドブル移籍について尋ねられたハジャーは次のように語った。

【ルーキー・フォーカス】
2025年F1第16戦イタリアGP木曜日 会見に出席したアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)

「僕は開幕直後に『今年レッドブルにステップアップする準備ができているか』と聞かれ、『ノー』と答えた。それはいまも変わらない。でも、来年の話になると状況は異なる。来年はレギュレーションが大きく変わって全員がまったく新しいマシンになってチャンスだから、面白いかもしれない」

 しかし、ハジャーは予選でQ1落ち。さらにその後、パワーユニット交換によりピットレーンからスタートとなったため、一旦、メディアの注目から外れる。しかしレース後、再び注目の的となる。

【ルーキー・フォーカス】
2025年F1第16戦イタリアGP ピットレーンから決勝レースをスタートするアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)

 レッドブルのローラン・メキース代表はレース前に、2026年のシートについてこう語っていた。

「我々はドライバー決定を急いではいない。育成プログラムには十分な人材がおり、さまざまなシナリオに対応可能で、急いで決定を下す理由がないからだ。ただ、現時点で明確なことは、シーズン中の変更は計画していないということだ。(角田)裕毅は過去3戦で着実な進歩を見せており、さらなる成長を望むのは当然だ。スパではチーム加入後、最高の予選結果を記録し、ブダペストではマックス(・フェルスタッペン)に迫る走りを見せた」

「一方、レーシングブルズのマシンでアイザックが成長する姿を見るのは、非常に喜ばしいことだ。我々には数週間あるいは数カ月かけて決断を下す時間がある。もちろん、最終戦まで待つ必要はない。なぜなら、我々はドライバーをリスペクトしているし、我々の決定がそのドライバーに影響を与える可能性あるからだ」

 これは現在4人いるレッドブル・ファミリーのドライバーのうち、今シーズン限りでシートを失う可能性があるドライバーが出てくることを意味し、そのドライバーがほかのチームに移籍できる道を残すために、最終戦まで決定を遅らせることはないという意味にとれる。

 メキースが見守るなか、イタリアGPでは角田裕毅(レッドブル)とリアム・ローソン(レーシングブルズ)接触。フロアにダメージを負った角田は、その後ペースが上がらずに13位に終わり、ローソンはレッドブル・ファミリーのなかで最下位の14位となった。

 一方、ピットレーンからスタートしたハジャーは、最後方から安定したペースを維持しながら着実にポジションを上げ、残り2周でトップ10に入り、ポイント圏内となる10位でフィニッシュした。セーフティカーが導入されるような荒れた展開になることはなかった今年のイタリアGPで、ピットレーンスタートからの入賞は、前戦オランダGPにもひけをとらないほどの評価を得た。

 イタリアGPでの1ポイントは、2026年のレッドブルのシートを手繰り寄せる大きな1ポイントになったようだ。

【ルーキー・フォーカス】
ピットレーンからスタートしたハジャーは、安定した走りで10位に入賞した


(Text : Masahiro Owari)

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