元F1ドライバーのマルク・ジェネ、フェラーリの若手育成プログラムのトップに就任へ。退くクリアにはキャデラック加入の噂
ウイリアムズやミナルディに所属した元F1ドライバーのマルク・ジェネが、ジョック・クリアに代わりフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)のトップに就任することになった。
ジェネがフェラーリに加入したのは2004年のことで、当初はテストドライバーとして起用された。ジェネは、フェラーリが過去10年間に製造したシミュレーターのうち、最初の数台の開発を担当し、タイヤテストや信頼性テストも行っていた。若手ドライバーたちがシミュレーターでの作業に取り組むにつれ、ジェネはチームアンバサダーの役割に移ったが、これはデビッド・クルサードがレッドブルで行っていることとほぼ同じで、今でもデモ走行を行ったり、チームスポンサー向けの特別イベントで古いクルマを走らせたりしている。51歳のジェネは現在もレースチームの一員であり、ほぼすべてのグランプリに参加し、フェラーリとイタリアで放送権を保有する『Sky Italia』との橋渡し役を務め、テレビ解説者も兼任している。
ジェネは自身がレースから引退して以来、若い才能の持ち主たちに注目しており、この組織のトップに就任する前からFDAのアドバイザーを務めていた。フェラーリの若手ドライバープログラムに最近加わったイタリアの有望株ニッコロ・マッカニャーニと、デンマーク出身でF1アカデミーに参戦するアルバ・フルップ・ラーセンのふたりはすでにジェネの指導下にあるが、年末まではジョック・クリアが引き続きこのプログラムを監督することになる。
ベテランエンジニアのクリアは、フェラーリがジュニアフォーミュラでかなりの成功を収めるのに貢献してきた。今年はトライデントからFIA F3に参戦したラファエル・カマラが選手権を制覇しており、彼は2026年シーズンを前に、早期にFIA F2に昇格する可能性が高い。
現時点ではクリアが次に何をするかはまだ不明だが、フェラーリに残り、豊富な経験を活かして、それぞれのチームで若いドライバーを支援する可能性も否定できない。しかしイタリアでは、クリアが新しいキャデラックF1チームに移籍するといううわさも出ている。彼ならそこでさまざまな役割を担い、大きく貢献できるだろう。
クリアは昨年までスクーデリアのエンジニアリングチームの一員として、レースの週末にはドライバーやレースエンジニア、データアナリストとともに働き、各グランプリの準備にも携わっていた。そのため、62歳のクリアは各F1チームの動向を今もよく把握していることから、キャデラックのようなまったく新しい組織にも完璧に適応できる可能性がある。