フェルスタッペン、今度は“偽名”でなく本名でNLSニュル耐久に参戦へ。まずはGT4から
先週末のF1イタリアGPで完勝を飾ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、今週末と9月末に、自身が愛するニュルブルクリンク北コースで開催されるNLSニュルブルクリンク耐久シリーズに参戦する。今回、9月12日と13日にはポルシェ・ケイマンGT4 CSを操り、さらに2週間後のアゼルバイジャンGP翌週には、フェラーリ296 GT3に乗り換えての現地ノルドシュライフェ“復帰”が予定されている。
今季2025年のF1シーズンも先週末のモンツァでヨーロッパ・ラウンドを終えたばかりだが、苦戦続きのチャンピオンシップ渦中で輝かしい勝利を収めたフェルスタッペンは、複数のメディアによれば今年も欧州のモータースポーツ・シーンに積極的に関与し、レースに出場する予定だという。
ドイツの総合自動車誌『auto-motor-und-sport.de(アウト・モトール・ウント・シュポルト)』によると、F1で4度の戴冠を誇る27歳のオランダ人ドライバーは、モンツァでのイタリアGPからわずか数日後にドイツのアイフェルに向かい、かつてフェラーリ296 GT3で北コースの非公式ラップレコードを樹立した後に、自身が発表した計画を実行に移すことになる。
フェルスタッペンの目標は、アゼルバイジャンGPのわずか1週間後(9月27日)に開催されるNLS第9戦に、スイスのチーム、エミル・フレイ・レーシングからフェラーリ296 GT3で参戦すること。フェルスタッペンにとって、GT3マシンでノルドシュライフェの実戦に参加するのはこれが初めてとなる。
直近の動きでは、自身が運営するフェルスタッペン・ドットコム・レーシングからGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ(GTWCヨーロッパ)などに参戦するクリス・ルラムが、NLSでライオンスピードGPチームのポルシェ・ケイマンGT4 CSをドライブし、晴れて北コースのドライバーライセンスを取得。フェルスタッペンも9月12日(金)に必須座学の運転講習を修了し、13日(土)にはケイマンGT4 CSで4時間耐久のシリーズ戦に挑み、ペナルティなしで合計14周以上を走破する必要がある。
この形式的な手続きにより、義務付けられている学科試験に合格しなければならないフェルスタッペンだが、プロ認定のプラチナ・ドライバーはその規定上GT3マシンでノルドシュライフェに参戦するだけでライセンスを取得できる。ただしこれはフェルスタッペンに限った例外でなく、DMSB(ドイツモータースポーツ連盟)は「全員に同じルールが適用される」ことを強調している。
今週末のGT4マシンでの参戦は、レッドブルのドライバーである彼がチームの承認を得たうえで、フェラーリGT3でニュルブルクリンクに参戦するための必須のステップに過ぎず、フェルスタッペンはこのサーキットを熟知している。
ご存知のとおりシミュレーター界のトップドライバーでもあるフェルスタッペンは、世界的シムであるiRacingで徹底的にノルドシュライフェ(ニュルブルクリンク北コース)を攻略。今年5月にはフェラーリの最新GT3モデルを実際にドライブし驚異的なタイムを記録したと、当日会場にいた複数の人物が語っている。当時、彼は偽名でエントリー登録していたが、今回は実名で会場に到着した。
ちなみに今回は、当時フェルスタッペンが名乗った“フランツ・ヘルマン”という偽名で走行することはできず。レースに出場するには、彼自身の名前で発行されるライセンスを使用する必要がある。
また、フェルスタッペンのマネージャーであるレイモンド・フェルミューレンの息子、ティエリー・フェルミューレンも、すでにライオンスピードGPのケイマンでノルドシュライフェのドライバーライセンスを取得している。