“真のリーダー”ブリアトーレは「F1とチームに尽力している」とガスリー。勝てるチームを作る自身のビジョンと合致
ピエール・ガスリーは、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレとの関係が深まっていることについて語り、苦戦しているチームをF1の最前線に復帰させるために協力するなかで、彼らの絆が強まっていることを明らかにした。
昨年アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーとしてF1に復帰したブリアトーレは、今季初めのオリバー・オークス代表の辞任を受けて事実上のチーム代表として活動している。アルピーヌの2025年シーズンは惨憺たるもので、F1コンストラクターズランキングでは最下位に沈んでいるが、ガスリーは、ブリアトーレの経験と野心が、チームをより明るい未来へと導く助けになっていると考えている。
ガスリーは、ブリアトーレがエグゼクティブアドバイザーに就任する前は彼について限られたことしか知らなかったと認めたが、チーム加入以降は、彼らの仕事上での関係も、個人的な関係も着実に成長してきた。
「正直に言うと、僕よりもメディアの方が彼のことを知っていて、多くの話題を持っていると思う。というのも、僕が彼のことを知ったのは、昨年彼がチームに加入してからだからだ」と、ガスリーは『RN365』のインタビューで説明した。
「心を開いてお互いの性格を理解するには時間が必要だが、最初はすべてコースのことに集中していた」
「一緒に仕事をすればするほど絆は強くなり、今ではお互いのことや行動についても、少しずつ理解できるようになってきた」
「彼は僕を彼のボートに招待してくれた。僕は彼としばらく時間を過ごしたが、彼のビジョンが何なのか、彼がチームに何を求めているのかを知ることができてよかったよ。彼は非常に成功したビジネスマンであり、F1だけでなくF1以外でも豊富な経験を持っている。彼は真のリーダーだ」
ガスリーはまた、彼自身の野望が、アルピーヌを表彰台のトップに返り咲かせるというブリアトーレのビジョンと密接に一致していることを強調した。
「結局のところ、それが僕が望んでいることだ。僕は勝ちたいし、それが自分のキャリアに望んでいることだ。僕はF1で競争したいのではなく、F1で勝ちたい。そして、勝利を目指してレースをし、戦うためのマシンを提供してくれるチームを作りたい。そういう思いでキャリアを終えたい」
「当然ながら一部のチームはそう望んでいるが、現実として、彼らは常に中団で落ち着くことになるだろう。フラビオには限界がない。フラビオにとっては空さえも限界ではない。彼はF1とチームに本当に尽力しており、以前彼がそうしたようにエンストンのチームをトップに返り咲かせようとしている。もちろん状況は変化しているが、彼はそのことをよく理解しているし、それを実現したいと考えて努力している」
アルピーヌは今年苦戦しているものの、ガスリーはブリアトーレの影響、チーム首脳陣の再編、また、スティーブ・ニールセンのマネージングディレクター就任といった経験豊富な人材の加入などから励みを得ている。
「僕はフラビオやチームの首脳陣ととてもよい関係を築いているし、彼らの考え方や、変化しているプロセス、実際に何が進化しているのかといったことをよく理解している」とガスリーは語った。
「今、何も変わらなかったら心配になるだろう。明らかに状況はよくないが、僕たちには素晴らしい人たちや最高のスタッフが大勢いるし、ファクトリーには重要な人材も加わっている。僕たちは(2026年に)まったく新しいレギュレーションでスタートするが、幸運なことにこの状況のおかげで、他のチームに比べて来シーズンにより多くの風洞実験を行う時間がある」
2026年シーズンに向けて、アルピーヌにはメルセデスのパワーユニット(PU)への移行も迫っているが、将来については基礎が築かれつつあるとガスリーは楽観的な見方を保った。
「エンジンマニュファクチャラーの変更があり、それにはある程度適応する必要があるが、理論上は来年に向けてまずまずの状態にあることはわかっている」
「だから僕としては、モチベーションを高く保ちながら、2025年に打ち込んでいく。ステアリングを握っているときはいつでも、できる限り最高の仕事をするために全力を尽くす必要がある。トップ5争いや表彰台争いをし、勝てるマシンがあれば、モチベーションを維持するための個人的な挑戦を見つけられるし、来年に必要なチームを構築できるだろう」
アルピーヌにとって難しいシーズンであるにもかかわらず、ガスリーとブリアトーレのパートナーシップが強まっていることは、アルピーヌにおいて新たな野心とリーダーシップが生まれていることの兆しだろう。ガスリーは、最終的にチームがふたたび真の挑戦者となることを願っている。