2025.08.27

ペレス「自分の大好きなスポーツを楽しみたい」キャデラックとの交渉を重ね、F1復帰への気持ちが明確に


2024年F1アメリカGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
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 セルジオ・ペレスは、2024年末に困難な状況下でレッドブルを離れることになったものの、2026年にキャデラックからF1に復帰する際に「証明すべきことは何もない」と主張している。

 現在35歳のペレスは、キャデラックのF1デビューシーズンに向けた一員として、バルテリ・ボッタスとラインアップを組むことになる。1年間の離脱を経たペレスは、復帰にあたって重要なのは証明ではなく、情熱と展望だと述べている。

バルテリ・ボッタス&セルジオ・ペレス
キャデラックF1チームへの加入が決まったバルテリ・ボッタス(写真左)とセルジオ・ペレス(写真右)

■「証明するべきものは一切ない」

 ペレスは、マックス・フェルスタッペンとともに波乱に満ちた数シーズンを過ごし、レッドブルを去った。レッドブルのマシンに適応するのに苦戦したペレスは、2024年限りでチームを離れ、その後任としてリアム・ローソンが加入したが、ローソンはわずか2レースで角田裕毅にそのシートを譲ることになった。

 後継者たちはふたりとも、要求の厳しいレッドブルのマシンに苦戦し、ペレスは自分の評判を修復する必要はないことを確信した。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1メキシコシティGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

「証明するべきものは一切ないという気がする。僕のシートに座った現在や次のドライバーたちだけでなく、それ以前のドライバーたちでさえそうだった」と、ペレスは火曜日にキャデラックがドライバーラインアップを発表したあとに語った。

「今では誰もが忘れているが、常に適応して精神的な自信を築くには、非常にトリッキーな場所だった。とても独特な挑戦だ。彼らが獲得したポイント数を見れば、僕が証明すべきことは何もないと思う。シーズン全体では5ポイントくらいだろう(編注:角田がレッドブル移籍後に獲得したポイントは7ポイント)」

「僕にとっては、このスポーツを楽しむためのカムバックという感じだ。自分が大好きなスポーツ、僕に多くのものを与えてくれたスポーツを楽しみたい。以前のようなやり方でこのスポーツを離れるわけにはいかなかったので、この新しいプロジェクトで戻ってくることにした」

「大きな成功になることを願っている。でもそのなかで、何よりもこのカムバックを楽しみたい」

■F1から距離を置いて将来を熟考

 ペレスは、2025年にレースから距離を置くことは、自身の将来をあらためて明確にするために重要だったと認めた。

「僕にとって、スポーツから離れる時間を持つことはとても重要だった。特に、レッドブルに残らないことが年末になってようやく明確になったからだ」とペレスは説明した。

「だから、グリッドに留まるためだけに何かに飛び込むのではなく、スポーツから離れ、自分のキャリアにおいて次に本当に望んでいるものは何か理解するための時間が必要だった」

「最初は、特に最初の数カ月は、次に何をしたいのかあまり明らかになっていなかった。キャデラックのチームと話をすればするほど、復帰について自分が胸を踊らせていることがはっきりしてきた。表彰台やレース、ポイントを争うために、通常のチームからグリッドに戻るというだけのことではない。これは全体的なプロジェクトだ。その原動力は違うものだと感じている」

 この休暇により、ペレスはレーシングドライバーとしての人生に対する新たな視点も得た。

「ドライバーとしての自分自身について学んだ。僕はF1だけでなく、カート時代からずっと注目を浴びてきた」

「一度一歩下がってから、ファンとしてスポーツを見てみると、レーシングドライバーが心配していることは一般の人々にはまったく関係がないことに気づく。そのスポーツを知っている人にとってさえそうだ」

「戻ってきた今の僕のビジョンは、楽しむこと、そしてマシンに乗っているときはいつもチームとともに最大限の力を出すことだ。それは本当に大切なことだ。残りのことは、すべて外的な要因だ」

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2024年F1メキシコシティGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 キャデラックは2026年にゼロからスタートするが、表彰台は短期的どころか中期的な基準にもならないことをペレスは承知している。代わりに、進歩と努力が成功を決定づけることになる。

「自分のマシンに競争力があるときなら表彰台に上がれるが、素晴らしいレースをしても15位で終わることがある」

「15位でフィニッシュしたドライバーは、チームとともに最大限の努力をし、チームが進歩していることを知っている。外からこのスポーツを見ていると、それは誇りに思うべきことだ」



(Text : autosport web / Translation:AKARAG)

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