フェルスタッペン以外の3席について検討するレッドブル。来季に向けてインディカー王者パロウに関心か
インディカーで4度チャンピオンの座に就いたアレックス・パロウがレッドブル・レーシングへ電撃移籍するかもしれないといううわさが、アメリカを中心に広がりを見せている。パロウはこの件はうわさにすぎないとして否定しているが、レッドブル側は実際にパロウに関心を持っているともいわれる。
2026年にマックス・フェルスタッペンはレッドブルに残留すると明言したが、セカンドドライバーはまだ確定していない。
パロウはかつてマクラーレンとテスト契約を結び、旧型F1マシンでテストを行ったほか、2022年F1アメリカGPのフリープラクティスにも出場した。しかしパロウは契約トラブルの末に、2023年夏、マクラーレンとの関係を断った。それがマクラーレンとの間で法的紛争に発展、いまだ解決に至っていない。
マクラーレンは、パロウとの契約は2026年末まで有効であると主張しているため、レッドブルがパロウの起用を望んだ場合、契約承認委員会が介入する、複雑な状況になりそうだ。
パロウのかつてのマネージャーたちのやり方にマクラーレンは不満を抱いており、レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコも、問題点があったと示唆した。マルコは、以前、パロウをレッドブルの育成プログラムに加入させるための話し合いを行ったことがあると認めた際に、「彼ら(当時のマネージャー)は賢明ではなかった。後に彼が同時に複数の契約を結んだことで、それが露呈した」と述べている。
とはいえ、レッドブルに近い筋によると、マルコは依然としてパロウの才能を高く評価し、できれば彼をF1で走らせたいと考えているという。
しかし、レッドブル入りのうわさについてパロウ本人は、同チームとの交渉を否定。現在所属するインディカーチーム、チップ・ガナッシも、パロウとの契約があと1年残っていると強調した。
パロウは以前、2026年からF1に参戦するキャデラックチームと契約する可能性についてうわさされた際に、「優勝できないチームで3年や4年を無駄にする理由はない」とコメントした。
「それは僕にとってのレース観ではない。僕は勝利のために戦いたいんだ。インディ500やタイトルを目指したい。そうでなければ、ハッピーにはなれない」
だが、新規チームのキャデラックとは異なり、今のレッドブルは、かつてほどの圧倒的な強さはないにしても、依然として競争力の高いチームであるため、パロウが望むように、レースでの勝利やタイトルを目指して戦うチャンスを提供できるかもしれない。
これまで、フェルスタッペンの来季チームメイト候補は、現在レッドブルに所属する角田裕毅と、ルーキーのアイザック・ハジャーであると考えられていた。今年ハジャーとリアム・ローソンを走らせているレーシングブルズは、来季についてはふたりともドライバーが確定していない。来年、レッドブルのジュニアドライバー、アービッド・リンドブラッドがレーシングブルズに昇格する場合、レッドブル傘下の3人のドライバーのうち、ひとりが外れることになり、さらにパロウが加わることになれば、ふたりがシートを失うことになるだろう。