ピレリにとって500戦目となるF1オランダGP。タイヤは昨年より1段階柔らかい組み合わせ、週末は雨予報も
2025年のF1世界選手権の後半戦が、今週末から始まる。太陽の降り注ぐ場所で数週間の休暇を過ごしたドライバーたちは、F1第15戦オランダGPが開催されるザントフォールトで現実に戻ることになる。
オランダGPに関しては、気温はそれほど高くなく、いつものように風が吹くため、体感温度は大幅に下がると思われるが、最も重要なのは、土曜日と日曜日の両方で雨が降ると予想されていることだ。地元の天気予報では、土曜日の降水確率は92%で、レース当日の日曜日の降水確率は55%となっている。ザントフォールトのコースには、ターン1、ターン3、最終コーナーという3つのバンクを有するコーナーがあり、路面がウエットになるとコース上の水が流れ込んでしまうため、イン側のラインは使えなくなる。また、ピットの後ろにあるコーナーのフーゲンホルツボフトは18度の傾斜があり、大量の水がターマック上を流れる場合は、特に難易度が増す。
公式タイヤサプライヤーのピレリにとって、オランダGPは記念すべき500回目のグランプリだ。ピレリは1950年にシルバーストンで開催されたF1世界選手権の初戦に加わり、75年経った今でもグランプリに参戦している。ピレリが最初にF1に参戦した期間は1958年末までとなったが、その後23年間の休止期間を経て、1981年にグランプリに復帰した。1987年と1988年を除いて、ピレリは1991年末までF1に留まり、その後は他のモータースポーツ分野に移った。そして2011年にF1の公式タイヤサプライヤーとなり、現在15シーズン連続でF1の唯一のタイヤマニュファクチャラーを務めている。
オランダでは、すべてのマシンとすべてのスリックタイヤに、今年の2月18日にロンドンで行われた『F1 75』で公開された特別な500戦目のロゴが付けられる。また第16戦イタリアGPでは、レースの前にチーム関係者とドライバーがF1、FIA、ピレリ経営陣とともに記念撮影を行う予定だ。
ピレリは、FIAおよびF1と協力してレースをさらに盛り上げるために、今週末のオランダGPで使用するタイヤのコンパウンドを昨年よりも1段階柔らかくすることを選択した。持ち込まれるタイヤはハードがC2、ミディアムがC3、ソフトがC4となっている。ピレリのグランプリプレビューで説明されているように、このタイヤ選択は、「2022年にこのレースがカレンダーに戻ってきて以来主流となっている1ストップではなく、2ストップをベースにした戦略の可能性を高めることを目的として」行われた。
「この方向へとさらに進んだのは、ピットレーンの速度制限を時速60kmから時速80kmに上げるというFIAの決定があったからだ。これによりピットストップにかかる時間が短縮される」
「チームから提供されたシミュレーションによると、1ストップが依然として最速だ。ひとつには、ザントフォールトはオーバーテイクが非常に難しいことで有名だからだ。メインストレート以外にストレートが非常に少なく、コース全体が非常に狭いという事実がある」