「役立たず」と自己批判するハミルトンを“盟友”が擁護。「ルイスはF1を去るべきではない」
ルイス・ハミルトンはフェラーリに移籍して迎えた今シーズン、期待されたパフォーマンスを発揮することができておらず、熱心なF1ファンからライトファン、そしてほとんどの国際メディアから批判されているようだ。しかしパドック内では、ハミルトンが“勝利の道”に戻り2021年末に残酷にも奪われた8度目のタイトルを獲得できると、今も重要人物たちが考えていることに彼は気づいた。
そうした人々のうちのひとりは、他でもない“古巣”メルセデスF1のチーム代表、トト・ウォルフだ。ウォルフは、ハンガリーGPの終わりに彼の元ドライバーを熱烈に擁護した。ハミルトンが発した「フェラーリは新しいドライバーを雇うべきかもしれない」という言葉について、ウォルフはこの発言を軽視し、次のように述べた。
「ルイス(・ハミルトン)が感情を露わにしただけだ。それはセッション後に尋ねられたときに彼が本当に思っていたことであり、非常に生々しいものだった。彼は自分自身に疑問を抱いていたが、我々も過去に同じ経験をした。結果が自分の期待を下回ったと感じたとき、そしてチームが設定した目標があったとき、彼はそのように感情的になり、感情を率直に表に出してきた。少年時代や青年時代からずっとそうだった。だから、ルイスは自分自身を責めるんだ」
「彼は史上最高のドライバーだ。これからも永遠に史上最高であり、誰もその座を奪うことはできないだろう」
ウォルフはまた、7度の世界チャンピオンであるハミルトンが今季限りでこのスポーツを去る、つまりフェラーリとの契約を破棄してF1を引退する可能性を軽視した。
「ルイスはF1でやり残したことがある」とウォルフ。「メルセデスが2022年以降の最新のレギュレーションの下でパフォーマンス不振に陥ったのと同じように、彼もグラウンドエフェクト・カーに決して満足できなかったし、同様にグラウンドエフェクト・カーは彼を打ちのめした。もしかするとドライビングスタイルに関係しているのかもしれない。だから、ルイスはF1を去るべきではない」
「来季2026年は完全にドライブの仕方が変わる新しいマシン、そしてエネルギーを合理的に管理する必要がある新しいパワーユニットが登場する。そのため、ルイスにとっては間違いなくチャンスになる。彼が今後何年もこのスポーツに残ってくれることを願っている。来年は間違いなく重要な年になるだろう」
さらにウォルフは、元ドライバーへの信頼に疑いの余地を残さないためにも、適切な状況であればハミルトンがふたたびタイトルを勝ち取ることができると信じていると公言した。
「ルイスが自信を持って、望むことをしてくれるマシンに乗っているのならそのとおりだ」
「反対にもし彼が、ここ数年のメルセデスのマシンのように望むフィードバックを返してこないマシンに乗っているのなら、そしてフェラーリが同様かそれ以上に悪い状況にあれば、そうはならないだろう。だが、彼に力があるかどうかという話なら、彼は間違いなくその能力を持っている」