アストンマーティンの新技術責任者カルディレが正式に業務開始。フェラーリとの法廷闘争が解決
フェラーリF1のシャシー担当テクニカルディレクターを務めていたエンリコ・カルディレは、元雇用主との長期にわたる法廷闘争を経て、アストンマーティンの最高技術責任者(CTO)としての新たな役割を正式に開始した。
アストンマーティンは月曜日に待望のこの人事を確認した。チーム代表兼CEOのアンディ・コーウェルの下で、技術体制の大規模な変更が進められるなか、2024年7月にカルディレの加入が発表された。
しかしフェラーリから1年間のガーデニング休暇を課されたにもかかわらず、カルディレが新しい雇用主と早すぎる時期に契約を結んだことから、フェラーリは非競争条項違反を主張し、法的な摩擦が生じていた。
紛争はモデナ裁判所に持ち込まれ、2025年4月に同裁判所はフェラーリ側の主張を認め、カルディレのアストンマーティンでの業務開始を一時的に停止した。
しかしようやく法的問題が解決し、アストンマーティンは正式にカルディレをAMRテクノロジー・キャンパスに迎え入れた。ここでカルディレは、設計と技術部門を率いることになる。
カルディレの加入は、2026年のF1技術レギュレーション刷新に向けてアストンマーティンが態勢を整えるなかで、チームにとって極めて重要な時期に行われた。カルディレは、4月にマネージングテクニカルパートナーに就任したエイドリアン・ニューウェイと協力して働くことになる。
ふたりは数十年にわたる経験を持ち、アストンマーティンがF1のトップに立つための推進力となることが期待されている。
当初、カルディレはテクニカルディレクターのダン・ファローズとともに仕事をする予定だった。しかし、今年初めにファローズが解任されて、技術組織の階層が合理化され、カルディレがチームの設計の方向性をより直接的に管理するようになった。
法的な障害を乗り越え、アストンマーティンはカルディレとともに、将来に向けた準備を強化する。カルディレの専門知識を活用し、継続的に表彰台を獲得することを目指し、最終的にはタイトル争いに加わることを目標としていく。