
【】「このチームの一員になったのは人生で最大の特権」“ショック”の離脱を自ら伝え、感謝を述べたホーナー。感極まった様子も
7月10日
レッドブルの元チーム代表兼CEOのクリスチャン・ホーナーは、水曜日の朝、ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのチーム本部でスタッフに向け心のこもったスピーチをしたが、突然のチーム代表解任は大きな“ショック”だったと明かした。
この発表は、前日の夜にホーナーに決定が伝えられたことを受けて行われた。これにより、F1チームをチャンピオンシップ勝利チームへと変貌させるのに貢献した、彼のチーム代表としての20年間に終止符が打たれた。

チームメンバーに向けた心からの感動的なスピーチのなかで、ホーナーは深い感謝の意を表し、F1で最も優勢なチームのひとつを築き上げた20年間を振り返った。
「昨日レッドブルから、この会合を最後に、私はビジネスにもチームにも運営上関与しなくなることを知らされた」とホーナーは、『Sky Sports』が入手した映像のなかで、集まったスタッフに語った。
「私は引き続き会社に雇用されるが、運営面ではバトンを渡すことになる。もちろん、それは私にとってショックだったが、私ができたのは、振り返る時間をこの12時間ほど持つことだった」

51歳のホーナーは、自らこのニュースを伝え、過去20年間一緒に仕事をしてきた人々に個人的に感謝したいと強調した。
「みなさんの前に立ってこのニュースを伝えたかったし、私がここにいたこの20年半の間に多くのことを捧げてくれたチームのひとりひとりに、感謝の意を表したかった」
ホーナーは、レッドブル・レーシングのプロジェクトの初期の頃を回想した。当時、彼はスチュワート・グランプリから派生したジャガーF1チームを引き継ぎ、チームをF1の真のトップチームおよび勝者へと変貌させるのに貢献した。
「20年前に着任したときは、まだ白髪も少ししかなかった。チームに加わったときは何を期待できるのかわからなかった。しかし、私はすぐに歓迎された。そして、ふたつの老朽化した建物から、我々はF1の強豪となる建物を築き始めた」
「このチームを見守り、その一員になれたことは私の人生で最大の特権だった。チームを見ることは……」と、ホーナーは明らかに感極まった様子で語った。彼のスピーチはスタッフの拍手によって中断され、彼のリーダーシップの影響力が浮き彫りにされた。

■解任の理由は未だ説明なし
レッドブルの親会社は、姉妹チームであるレーシングブルズのチーム代表ローレン・メキースが、ホーナーがこれまで務めていたチーム代表とCEOの両方の役割を引き継ぐことを発表した。メキースの任命は水曜日に確認された。
このニュースが報じられて以来、レッドブル・レーシングはリーダーシップの交代を認める短い声明を発表したのみで、ホーナーの突然の解任の理由については何もコメントしていない。レッドブルはメキースの指揮下で新たな章に入るが、ホーナーの感動的な別れは、8回のドライバーズタイトルと6回のコンストラクターズタイトル獲得によって彩られたある時代の終わりを告げるものだ。それは飽くなき野心と献身によって、20年以上にわたって築き上げられたレガシーだ。

(Text : autosport web / Translation:AKARAG)