母国グランプリで4位となったルイス・ハミルトン(フェラーリ) 2025年F1第12戦イギリスGP

【】過去最悪レベルのマシンに不満を述べるも、ハミルトンは前向き「来季に活きる学びを得た」

7月9日

 ルイス・ハミルトンは、シルバーストンでのイギリスGPにおいて“速いほう”のフェラーリドライバーだった。表彰台をめぐる3位争いではキック・ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグに敗れたものの、彼にとっては意気揚々と母国グランプリを後にするのに充分だったようだ。

 7度のF1ワールドチャンピオンである彼はレース終盤に2度のコースオフを喫したが、非常に印象的なオーバーテイクも2回行った。

「今日は学ぶことがたくさんあった。このマシンをウエットコンディションでドライブしたのは2度目だったが、来年はウエットコンディションで異なるクルマをドライブできるようにするために、やるべきことがたくさんあるだろう」とハミルトンは語った。

 今季フェラーリに加入した彼は、雨天時の『SF-25』の特性について無線で何度も不満を漏らし、レース終了後も次のように繰り返した。「ここで、このようなコンディションでドライブしたマシンの中でも、SF-25はもっとも難しいクルマだった。信じられないほど運転しにくかった」

 それでも、ベテランのイギリス人ドライバーは週末全体が自身にとってポジティブなものだったと捉えており、「結局のところ、今日は多くのことを学んだ。今回のレースから得たものはたくさんある」と述べ、改めて次のように語った。

「このマシンで雨のなかを走るのは、まだ2回目だ。これがどれほど大変か、言葉では言い表せない。あのようなコンディションに適したマシンではなかった」

「今回、多くのデータを得ているので、来年のマシンを設計している人たちと話し合い、より良い方向性を見つける役に立つだろう。これは僕にとって素晴らしいことだ。このマシンには来年まで使える要素もあるが、いくつかの部分では変更が必要だ」

過去最悪レベルのマシンに不満を述べるも、ハミルトンは前向き「来季に活きる学びを得た」
雨のシルバーストンを走るルイス・ハミルトン(フェラーリ)

 最後の10周はドライコンディションとなり、全員がすでにスリックタイヤを履いていたが、ハミルトンはそれほど状況は改善していなかったと主張し、「最後に完全にドライになったときには、少し扱いやすくなった」と認めたが、「それでも、ターン11でスナップしてスピン、コースアウトしてしまった。見てのとおり今日はミスが多かった」と付け加えた。

 フェラーリでの最初のシーズン前半を振り返ったハミルトンは、明確に「楽観的」なアプローチを取り、「それは素晴らしかった」と述べた。

「僕はすべてのレースを完走した。それほどひどいドライビングをしているわけではないが、これからも改善を続けていきたい。ここでは予選がよさそうだったので、この流れを維持して行きたいと思う。少しでも改善されることを心から願っている」

 ベルギーGPからアップグレードされたSF-25に何を求めるかと尋ねられたハミルトンは、「安定したバランスと、低速でコーナリングできるマシン」と答えた。

 彼は最後に、「今週末を通して僕たちは好調に見えた。フリー走行ではつねに上位にいた」と語った後、「予選ではまだすべてを出し切れなかったし、レースは少々厳しかった」と認めた。



(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)