
【】ハミルトン、レース開始直後からGPSが使えず。代表は終盤のタイヤ交換が1周早かったと認めるも、判断を擁護
7月8日
フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールは、2025年F1第12戦イギリスGPのスタートからルイス・ハミルトンの戦略が危うくなっていたことを明かしたが、それは「マシンのGPSが使えなくなったため」だったという。バスールはチームの判断を擁護し、「レース後に『タイヤをもう1周早く、あるいはもう1周遅く交換すべきだった』などと言うのは、はるかに簡単なことだ。入手可能な情報にもとづいて即座に決定を下さなければならないのはその時点でのことであり、レース終了後ではない」と指摘した。
イギリスGPのレース後半、ハミルトンは3番手を争っていたニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)に急速に迫っていたが、41周目の終わりにスリックタイヤに交換するためにピットインすることを選択した。一方のヒュルケンベルグは、もう1周ステイアウトした。ハミルトンはコースに復帰してすぐにターン3で大きくコースオフし、ヒュルケンベルグに5秒以上後れをとってしまい、これにより彼の追撃は事実上終了して4位に甘んじることとなった。

チーム代表のバスールは、次のように認めた。
「おそらく1周早すぎたと言えるだろう。また、ターン3で直進してしまい、4、5秒をロスしてしまった。しかし、先にピットインしたのは(アストンマーティンのフェルナンド・)アロンソだったと思う。いくつかのコーナーで、彼はインターミディエイトタイヤを履いた他のドライバー全員よりもすでに速かった」
「他のドライバーが先にピットインするのを待っていると、ようやく動き出したときにはいつも遅すぎてしまうという状況だ。レース後に、最初のピットストップは1周前に、2回目のピットストップは1周後にすればよかったなどと言うのは、かなり簡単なことだと思う。しかし、ピットウォールで決断を下さなければならない時は、ライバルと比べて常に先を予測しなければならないので、非常に難しい決断になる」
バスールはその後、GPSの問題を明かした。
「レース開始直後からルイスのGPSが使えなくなってしまった。つまり、我々は完全に目が見えなかったようなもので、彼がコース上のどこにいるのか正確にはわからず、そこの状況を見ることもできなかった。難しいものだった」

ハミルトンが何度かコースオフし、ルクレールがさらにドラマチックな展開に遭遇したことから、ウエットコンディションではSF-25の性能が劣ることは明らかだったが、バスールは、このパフォーマンス不足は路面温度の低さから来るものではないと考えていた。
「イエスともノーとも言える」
「このようなコンディションでは、タイヤの空気圧やスティントの開始時に行う選択や予測、つまりこのタイヤセットで何周するかということも大きく関係する」
「今日は、各タイヤセットで何周できるか想像するのが非常に困難だった。なぜなら、グリッドについて最初にスタートしたときには、次のにわか雨は予測できなかったからだ。そしてピットウォールに到着すると、大きな一件があった。そしてレース全体もこのような感じだった。どの段階でも『よし、10周か15周か5周のスティントをやろう』などと誰も言えなかったと思う。コンディションは常に変化しており、タイヤの空気圧に関しては、マシンに新しいタイヤを装着すると管理が非常に難しくなるためだ」

(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)