
【】「まさにレジェンドだった」無線を送り、パルクフェルメに駆けつけ僚友の初表彰台を祝福したボルトレート/F1 Topic
7月8日
2025年F1第12戦イギリスGPでのニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)の3位表彰台を、シルバーストン・サーキットにいた多くのレース関係者が祝福していた。そのなかで、自分のことにように喜んでいたひとりが、チームメイトのガブリエル・ボルトレートだった。ボルトレートはレース序盤のバーチャルセーフティカー(VSC)解除時にクラッシュを喫し、早々にリタイアしていた。
しかし、ガレージに戻ってくると、チームメイトであるヒュルケンベルグの激走を見守り続けていた。
そして、ヒュルケンベルグが3位でチェッカーフラッグを受けると、レースエンジニアやチーム代表とともに、無線で祝福のメッセージを贈った。
「ニコ聞こえるか、ガビ(ボルトレートの愛称)だ。心の底から祝福するよ」
それを聞いたヒュルケンベルグは、こう返答した。
「ありがとう、僕の相棒よ。君が喜んでいてくれて、本当にうれしい」
国際自動車連盟(FIA)の記者会見が終わって、キック・ザウバーのモーターホームに帰ってきたヒュルケンベルグは、ボルトレートを見つけると、何も言わずに見つめ合い、そして激しく抱きしめた。無言の抱擁の後、ボルトレートはあらためてこう言った。
「今日の君は本当に最高だった。まさにレジェンドだったよ」



(Text : Masahiro Owari)