
【】フェルスタッペンも選択肢に。ドライバー交渉で有利な立場のメルセデス。ラッセルは残留でも妥協を強いられる可能性
7月3日
ジョージ・ラッセルが火付け役として盛り上がっている、マックス・フェルスタッペンのメルセデス移籍説。メルセデス代表トト・ウォルフとフェルスタッペンは実際、交渉を再開させたようだ。ウォルフは、2026年のドライバーラインアップをサマーブレイクごろまでには確定させる予定だと語っている。
F1オーストリアGPの週末、ラッセルは、「もしマックスがマーケットに出るのなら、どのチーム代表でも彼と話をしたいと思うのは当然のことだ」とコメントした。
「来年に向けてドライバーと契約を結んでいないチームがあるなら、どのチーム代表でも最初に彼のもとを訪れて、彼に契約してもらおうとするだろう。なぜなら、いまのF1において彼は最も注目されている存在なのだから」

■メルセデス、来季ドライバーラインアップはサマーブレイクまでに決定へ
ウォルフ代表は、3カ月前には「自分のドライバーたちに完全に満足しているし、今あるものに満足しているときに他に目移りしたりはしない」と発言していたにもかかわらず、オーストリアGPでの発言にはニュアンスの変化があった。
「自分の役目はチーム内すべての利害関係者――株主、ドライバー、経営陣、そしてスタッフ全員――の利益を守ることであり、ドライバー市場の状況について常に把握しておく必要がある。マックスは信じられないほど優れたドライバーだ。私は彼が2026年も今いる場所に留まると考えているが、すべてのドライバーと話をすることに対して、常にオープンである」
ウォルフは、2026年のドライバーラインアップは、サマーブレイクまでには決定する予定だと述べた。
「ドライバーを待たせたり、本来決断すべきときに決断をしないことで、サディスティックになりたいとは思っていない。だから、今の我々は良い状況にあると思っている。今は7月の初めだ。周囲では多くの話し合いが進んでいるし、私はそれに対して率直で透明な姿勢をとってきた。そして夏休みに入るまでの今後数カ月の間に、来年我々のチームで誰が走るのかを明確にする必要がある。夏休みまでにはすべてが決まるだろう」
■メルセデスとの交渉を再開したフェルスタッペン側の思惑は?
メルセデスの関係筋によれば、交渉の再開を最初に望んだのはフェルスタッペンのマネジメント側であったという。そうであれば、フェルスタッペンは今季末でレッドブルを離れる意志があるということになる。
もちろん、これはクリスチャン・ホーナー代表およびレッドブルに対して、さらなる好条件の契約を引き出すため、来年チームが再び勝てる体制に戻るという、より強い保証を引き出すための駆け引きである可能性もある。

一方で、フェルスタッペンがマーケットに出る可能性があることで、ウォルフはラッセルとの契約交渉において非常に有利な立場に立つことになった。伝えられるところによると、ラッセルはメルセデスに対して、3年契約と、マクラーレンでランド・ノリスが受け取っているのと同等の年俸を要求したが、ウォルフからはすぐに「ノリスのような年俸をメルセデスで得ることはありえない」と伝えられたという。
ウォルフはラッセルに対して1年契約しか提示するつもりがなく、2026年末にフェルスタッペンが移籍してくる場合に備えて、自由に動ける状態を確保しておきたいと考えているともいわれる。そうすると、ラッセルはかつてバルテリ・ボッタスが5年連続で味わったような、不安定な立場に置かれることになる。

仮にフェルスタッペンが今年末でレッドブルを離れるなら、ラッセルが彼の後任としてレッドブルに移籍するのが自然な流れだ。しかし、もしフェルスタッペンが2026年もレッドブルに留まるなら、ラッセルには現実的な移籍先が存在しないことになり、たとえ自分の要求とかけ離れていても、ウォルフから提示された条件を受け入れざるを得なくなるだろう。
(Text : GrandPrix.com)
メルセデスAMGペトロナス・F1チーム関連記事
- フェルスタッペンも選択肢に。ドライバー交渉で有利な立場のメルセデス。ラッセルは残留でも妥協を強いられる可能性
- 1周目クラッシュのアントネッリは猛省「大きなミスを犯してしまった」ラッセル、マクラーレンから1分差にショック
- メルセデス代表、勝者ラッセルに対するレッドブルの抗議を激しく批判「ただただ恥ずかしい行為」
- ラッセルがポール・トゥ・ウイン「常に優勝争いができる状態まで進歩する必要がある」メルセデスはランキング2位に
- 18歳のアントネッリ、史上3番目の若さで表彰台獲得「ストレスの大きいレースだったが、マクラーレンに勝ててうれしい」
- ポールのラッセル「予選で鳥肌が立ったのは初めて」フェルスタッペンとの対決は「僕の方がライセンス面で余裕がある」