クビサ、大怪我からの復帰後にル・マン優勝。アロンソとバスール代表が祝福「モータースポーツの伝説的人物だ」
6月14〜15日に行われたル・マン24時間耐久レースでのロバート・クビサ(83号車フェラーリ499P/AFコルセ)の歴史的な勝利は、F1カナダGPが行われたモントリオールのパドックでも注目を集めた。このポーランド人ドライバーは、F1界でも依然として非常に人気のあるメンバーだ。
クビサはアルファロメオ・ザウバーとのリザーブドライバー契約が終了して以来、グランプリからは遠ざかっているが、F1の世界にはいまだに多くの友人やファンがいる。
ベテランのフェルナンド・アロンソは以前からクビサと親しく、2011年の初めにクビサが命に関わるラリー事故に遭った日に、アロンソは病院に見舞いに駆けつけたほどだった。アロンソは、アストンマーティンのモーターホームでル・マンのレースを最後まで見届け、その後自身のレースの準備を始めたが、カナダGP後に「彼の勝利を心から喜んでいる」と語った。
「僕たちはあのレースがいかに特別なものかということについて何度か話したことがある。そして、彼はル・マンでの勝利を経験するのにふさわしかった。彼はモータースポーツの伝説的人物であり、その意味はル・マンで優勝したことでさらに強くなったはずだ」
「彼のこれまでのキャリア、そして事故などで経験した痛みのことなどを考えると、今日はモータースポーツにとって非常に幸せな日だと思う。彼の勝利をうれしく思うよ、明日には彼に電話するつもりだ」
「今日は、優勝の喜びを邪魔したくないからね。今日の祝杯は本当に幸せだろう。僕は彼を誇りに思う」
さらにパドックの上層部では、フェラーリF1のチーム代表フレデリック・バスールが非常に厳しい週末を耐え抜いていたが、レース後にクビサのル・マンでの成功についてコメントを求められた時だけ気分が明るくなったという。
明らかに感動している様子のバスールは、「私はロバートと親しい関係だ。彼がアルファロメオでリザーブを務めた数年間、その前はF3とフォーミュラ・ルノーで私と一緒にいた」と明かし、次のように語った。
「私にとって彼は宇宙人のような驚異的な人物なんだ。彼が成し遂げたことは、とてつもなくすごいことだからだ。ケガからの復帰も含め、こうした状況のなかでル・マンで勝つこと、マシンのリーダーになること、チームをプッシュすること、そうしたことは私には想像もできないよ」
そしてバスールは、この素晴らしいポーランド人ドライバーとの最近の出来事を振り返り、「ロバートと議論するたびに、彼にいつも驚かされるんだ」と認めた。そして、クビサが最後にF1に参戦した時について、バスールは次のように回想した。
「2021年にキミ(・ライコネン)がコロナに感染した時、彼がアルファロメオのマシンに乗り込んだ。あれはオランダのザントフォールトでのことだった。彼は土曜日の朝にマシンに飛び乗らなければならず、最初のコースインでは、ザントフォールトのピットレーンが非常に狭いことからステアリングをめいっぱい切ったために、クラッチを入れることができなかったんだ」
「そして彼はその年、そのマシンを一度もドライブしていなかった。にもかかわらず、レースでは最終コーナーまでベッテルとバトルを繰り広げた! これは本当にすごいことだ。ロバートのために、彼の活躍を非常にうれしく思う」
最後にバスールは、次のようにつけ加えた。「彼はモータースポーツで波乱に満ちたキャリアを歩んできたが、彼がそのキャリアに注いだ努力を考えると、私は彼が今日このような成功を収めたことを非常に喜ばしく思うよ!」