レッドブルの抗議をスチュワードが却下、ラッセルの優勝が確定。“違反を誘発する行為”は認められず
レッドブル・レーシングは、F1カナダGPウイナーのジョージ・ラッセル(メルセデス)に対する抗議を提出したが、スチュワードはこれを却下した。レッドブルは、セーフティカー先導中に、ラッセルが不規則なドライビングを行ったこと、無線でマックス・フェルスタッペンに関してスポーツマンらしからぬ発言をしたことについて、訴えていた。
レース終盤のセーフティカー出動時、フェルスタッペンの前を走るレースリーダーのラッセルが急減速し、セーフティカーとの間隔をあけ、ラッセルの減速により、フェルスタッペンが一瞬前に出た場面があった。また、その際、ラッセルは無線で「フェルスタッペンは、セーフティカー中に僕をオーバーテイクをしたぞ」とチームに報告した。
レッドブルは、ラッセルの動きが不規則だったと主張。また、ラッセルがブレーキをかける前にミラーを確認していることから、意図的にフェルスタッペンを前に出させて、違反を誘発させようとしたと、レッドブルは推測した。さらに、無線での発言は、レースコントロールへのアピールであるとして、ラッセルにはフェルスタッペンにペナルティをもたらそうとする「スポーツマンらしからぬ意図」を示す行為があったと主張した。
レッドブルの抗議について、スチュワードは次のように説明した。
「レッドブルは、63号車のドライバーがセーフティカーの背後で不必要かつ不規則にブレーキをかけたことにより、FIA F1競技規則第55.5条に違反したと主張した。さらに、63号車のドライバーが、セーフティカー下で1号車に追い越されたと無線で訴えたことは、FIA国際モータースポーツ競技規則第12.2.1m条に違反する、スポーツマンシップに反する行為であると主張した」
しかし、ヒアリングと調査の結果、スチュワードは、ラッセルは規則違反を犯していないと判断した。ラッセルは不規則なブレーキングは行っておらず、ドライビングにおいても無線に関しても、スポーツマンシップに反する行為を取ったとは認められないと、スチュワードは述べている。
レッドブルの抗議が却下されたため、ラッセルが優勝、フェルスタッペン2位というレース結果が正式に確定した。