アウディ、F1新パワーユニットに関し、ルノー・ファクトリーの技術活用を検討か
アウディは、自社として初のF1用エンジンの開発を加速させるため、ルノーのパワーユニット(PU)部門の技術を役立てることを検討しているといわれる。
2026年からのF1ワークス活動のため、アウディは現ザウバーを買収、パワーユニットは、ノイブルクのファクトリーにおいて開発および製造を行う。
最近、アウディの最高技術責任者(CTO)兼最高執行責任者(COO)であるマッティア・ビノットは、イタリアのメディアに対し「2026年のスタート時点で我々が最高のパワーユニットを持っていることはない」と認めた。同時に彼は、競合他社よりも早く進歩できる能力に自信を見せ、「数年後にはより強力な立場に立っているだろう」とも語っている。
スペインGPの週末、フランスの情報筋は、アウディに、一部のコンポーネントに関して、ルノーのビリー−シャティヨンのファクトリーの協力を得る計画があることを明かした。
ルノーが1976年にF1プログラムを開始することを決定して以来、ビリー−シャティヨンはF1エンジンの開発に関与してきた。しかし2024年7月に、ルノーCEOルカ・デメオおよびフラビオ・ブリアトーレが、2026年のパワーユニット計画を放棄し、アルピーヌF1チームはメルセデス製エンジンを使用するという決定を下した。
これに伴い、ビリー−シャティヨンのファクトリーは新たな役割を担い、ルノー・グループの市販車プロジェクト向けの新技術開発、特に市販車の電動化に関わる技術開発に移行することになることも発表された。
しかしビリー−シャティヨンで働いてきた500人の技術者の大半は、モータースポーツ・プログラムに従事するためにルノーに加わっていたため、多くがすでに退職しており、その一部はフェラーリ、メルセデス、アウディ、レッドブル・パワートレインズへと移っていった。
とはいえ、2026年仕様のF1パワーユニットに関するハードウェアや知識、非常に経験豊富な技術者たちの一部は依然として残っている。アウディは、それらが自分たちのプロジェクトにおいて大きな価値になる可能性があると考えているものとみられる。
両者はなんらかの形での契約を結ぶことになるかもしれないが、新パートナーシップというよりも、アウディがパワーユニットの主要パーツ以外に関して協力を得る、外部サプライヤーとしての契約という形になるのではないかと予想されている。