新しいマシンをマスターするには「10レース」が必要とサインツ。ウイリアムズでのアプローチ方法を明かす
カルロス・サインツは、ウイリアムズにまだ完全には慣れていないことを率直に認めている。
このスペイン人ドライバーは、「予選のように本当にプッシュする必要があるとき、筋肉の記憶はまだ前のマシンでやっていたことをやっている」と、チームメイトのアレクサンダー・アルボンと肩を並べるのが難しい理由を説明した。
サインツは、ウイリアムズのマシンがどのように機能しているかをまだ学んでいる最中だといい、「自分のドライビングと異なるポイントや、マシンのセットアップでのいろいろな妥協点を試している。それが機能するかどうかを見て、機能しない場合は振り出しに戻り、ラップタイムが出せるところを見つけるまでさまざまなことを試しているんだ」と語った。
これまで数多のチームを渡り歩き、直近ではフェラーリのマシンを操っていたサインツは、次のように詳しく語る。
「僕はフェラーリで特定のタイプのマシンに慣れていた。とくに2022年以降は、そのマシンからすべてを引き出すためにとても特殊な方法でドライブしていたんだ」
「そのドライビングの癖がつき、それが次のマシンのドライブでも出てしまう。それは一部のコーナーではうまくいくかもしれないが、他の場面ではとても遅くなってしまうこともある」
「それに、自分の好みのやり方でマシンをドライブできるようにするための、セットアップの面もあるだろう。僕たちは、ドライビングの修正とセットアップの両方を同時にまとめる必要があるんだ」
抱えている課題のさらなる詳細について尋ねられたサインツは、「自分のドライビングスタイルでうまくいくと思うコーナーをまとめるべく、セットアップに取り組む必要がある。そして別のタイプのコーナーでは、そのことは完全に忘れて、ドライビングスタイルを今ドライブしているマシンに戻さなければならないんだ」と説明する。
「ドライビングの観点から言えば、最大の課題はコーナーへのアプローチを学習し直すことだ。なぜなら、体の仕組みには一定レベルの筋肉の記憶があるからだ。とくに予選のプレッシャーの下では、筋肉が記憶しているドライビング方法に戻る傾向があると思う」
それでもサインツは、新しいマシンに完全に慣れるまでにどれくらい時間がかかると思うか尋ねられると「5レースから10レースで済む」と認めた。
「何を100%と考えるかによって決まると思う。100%というのが、目を閉じてドライブし、自然に速さが出るということなら、そこに到達するまでには1年以上かかるだろう。ただ、その100%というのが僕ができるだけ早く到達したいと思っている状態、つまりF1で非常に高いレベルでパフォーマンスを発揮することであれば、それには半年もかからないと思う。おそらく5レースから10レースで済むはずだ」
「走行するのに、異なる種類のコースや路面、異なるレベルのグリップ、異なるレベルのダウンフォースになると、優れたレベルに到達するまでに時間がかかる。ただ、同時に僕はその挑戦を楽しんでいるし、ピンとくるといつも気分がいいんだ。『よし、準備はできた』という感触を見つけてきてはいるが、それには多少の時間がかかるものだ」