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王者フェルスタッペンの戦い:タイトル防衛の難しさを認めつつも、目の前のレースに集中
2025年シーズンの開幕戦オーストラリアGPで2位。第2戦中国GPでは4位となったフェルスタッペン。タイトルを防衛するフェルスタッペンの今シーズンの戦いをF1スイス在住のF1ジャーナリスト、マチアス・ブルナーが語る。
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マックス・フェルスタッペンにはF1レーシングに関する持論がある。「何よりも重要なのは一貫性だ。僕はすべてのレースで可能な限り最善の結果を残すように努めている。たとえそれが5位にすぎなかったとしてもね。ワールドチャンピオンになるチャンスをつかむには、コンスタントにポイントを重ねていく必要があるんだ」
2025年シーズンに向けて、マックスがバーレーンでのウインターテストで得た第一印象は間違ってはいなかった。「今年はマクラーレンがとても速そうだ。彼らがチャンピオン候補の筆頭だ」
開幕から2戦を終えた時点での選手権の状況は、マックスにとって最悪というほどではない。リーダーのランド・ノリスからわずか8点差の2位につけているからだ。しかし、フェルスタッペンは楽観的にはなれないという。「少し格上の敵を相手に、よく健闘したというところだよ。現実を直視すれば、中国ではトップにまったく追いつけなかった」
■regist■メルボルンのアルバートパークで直面したトリッキーなコンディションのもとでは、マックスもノリスに最後までプレッシャーをかけ続けることができた。しかし、上海に舞台を移すとマクラーレンの優位は誰の目にも明らかとなり、さらにジョージ・ラッセルのメルセデスもマックスのレッドブルより速かった。
レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコはこうした状況を憂慮している。「今週(注:中国GPの翌週)、ミルトン・キーンズのレッドブル・レーシングのファクトリーで会議をする。現状で最速のクルマとのギャップをどのようにして、いつ頃までに縮めることができるか、詳しく検討するつもりだ」
「それまでの間は、すべてのレースで最大限のポイントを獲っていくしかないし、そのように努めてていれば、時には運に恵まれることもあるかもしれない。率直なところ、決して楽観はしていない。だが、間違いなく言えるのは、選手権はまだ始まったばかりだということだ」
とはいえ、少しは希望の光も見えたとマルコは指摘する。「レース終盤には、マクラーレン勢にも劣らないペースで走れた。マックスはルクレールをオーバーテイクできたし、もう少し時間があれば、ラッセルのメルセデスにも追いついたはずだ」
フェルスタッペン自身は、中国GP終了後にこう語っている。「僕にとっては、何も変わっていない。世界選手権タイトルの防衛は、いつだって難しい仕事だ。ライバルと対等に戦える速さがないと分かったら、自分のレースをすることに専念するだけだ。でも、レース後半のハードタイヤでのランは楽しめたよ。思いどおりにアタックできて、クルマのフィーリングも良かった」
「いずれにせよ、クルマがもっと速くなるように開発していかなければならないのは確かだ。スピードだけではなく、バランスの良さも重要になる。だけど、どのチームもまったく同じ目標を掲げて、開発に取り組んでいるからね」
「トップチームの間では、パフォーマンスの差はサーキットごとに変化し、コンディションによってはプラクティスから予選にかけて、予選からレースにかけても変わっていくと思う。鈴鹿ではもっと高い競争力を発揮できればと思っているけど、確かな自信があるわけではない」
マクラーレンのCEO、ザック・ブラウンは、このようにレッドブル・レーシングの低迷が続けば、フェルスタッペンは移籍を考え始めるかもしれないとの噂に言及して、心理戦を仕掛けている。だが、マックスはそうした可能性をはっきりと否定した。「よくある噂話でしかない。実際のところ、僕の気持ちはポジティブで、このチームと仕事をすることを楽しんでいる。外部の人が何と言おうと、どこか他のチームへ行くつもりはないよ」