
【】元ウイリアムズF1副代表のクレア・ウイリアムズ、スペインの大手銀行『サンタンデール』のアンバサダーに就任
4月1日
ウイリアムズF1チームの元チーム副代表クレア・ウイリアムズが、ウイリアムズの主要スポンサーであるスペインの大手銀行『サンタンデール』のアンバサダーという新たな立場で、F1界に正式に復帰する。
サンタンデールは、カルロス・サインツがフェラーリから移籍するのと同時期の2024年末にウイリアムズと提携を結んでいる。クレアは、ウイリアムズとの立場から、大きな注目とともにかつて率いたF1の世界へ復帰することになる。
伝説のチームオーナーであるフランク・ウイリアムズの娘で、2013年から2020年に退任するまでチームを率いてきた48歳のクレアは、2020年夏にチームがドリルトン・キャピタルに買収された直後にチームを離れて以来、ほとんど公の場に姿を現さなかった。

彼女は最近、Netflixの『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』にアナリストとして出演し、徐々に復帰していくことを示唆していたが、サンタンデールでの新たな役割により、パドックでの彼女の存在感はふたたび強まった。
■新たな役割と過去への回想
クレア・ウイリアムズは自身のソーシャルメディアで、この職務に対する喜びを表現した。
「F1アンバサダーとしてサンタンデールUKに加わることに胸を躍らせています。彼らのリーダーシップチームと輝かしい1日を過ごすことができたのは、素晴らしい経験でした。パフォーマンス、回復力、プレッシャーの下でリーダーシップを発揮するために本当に必要なことなど、あらゆることを話し合いました」
「温かく歓迎してくれたマイク・レニエ(サンタンデールUK最高経営責任者)とそのチーム、そして素晴らしい会話をリードしてくれたジェニー・ガウ(F1プレゼンター)に心から感謝しています」

この投稿では、サンタンデール上層部との関わりが強調されており、彼女はウイリアムズ時代から熟知しているテーマである、高いレベルにおけるパフォーマンスとリーダーシップについて議論するにあたって、F1での豊富な経験を活かしている。
クレアは『Formula1.com』のインタビューで、チームリーダーから解説者への転身について語り、「私にとって非常に奇妙な経験」だと語った。
「私は、このような依頼を受けることがどんなに名誉なことかということを、とてもよく理解しています。これはテレビで放送されているスポーツリアリティ番組のなかでも最大級のもので、大変よく作られています」
「しかしながら、私はかつてフェンスの反対側にいたことがあるので、奇妙に感じます。以前は私が番組に出演すると、人々に批判されたものです。現在、解説者として椅子に座っている私の責任のひとつは、スポーツ界の人々が今何をしているのかについてコメントすることです」
またクレアは、在任中に困難を感じたスポーツの側面である、F1に伴う過剰な注目についても振り返った。
「私がこのスポーツにいた頃、最も嫌だったことのひとつは、あまりにも露出度が高く、人々からさまざまな意見を言われることでした」
「ですから、私がこの仕事をすることに同意したとき、それは私にとっては名誉なことだったと同時に、私と同じ立場にいた人たちを分析してコメントすることと、それを公平かつ前向きなやり方で行うことをどう両立させるかということが、重要でした。これは簡単なことではありません」

彼女の言葉からは、内部者の視点と公平性への取り組みのバランスを取りながら、発展していく役割に対して思慮深いアプローチをしていることがわかる。
クレアは、目的を持ってF1のスポットライトの下にふたたび戻ってきた。サンタンデールとのパートナーシップは、彼女をかつて率いたスポーツにふたたび結びつけるだけではなく、絶え間なく進化するスポーツの物語のなかで経験を語る人物として位置づけることにもなる。
(Text : autosport web)