
【】アストンマーティン社がF1チームの株を売却、ストロールが保有株式を増やす。F1への長期的な参戦を言明
4月1日
自動車メーカーのアストンマーティン・ラゴンダは3月31日、同社の名前を冠するF1チームの株式を売却する計画を発表した。これは、グランプリチームの価値が高まるなかで利益を得るとともに、自社の資金繰りを確保するための措置である。同社の市販車の販売は依然として会社の期待を大きく下回っている。
アストンマーティン・ラゴンダは昨年、さらに多くの損失を計上し、損失額は2億8910万ポンド(約560億円)に達し、2023年の2億3980万ポンド(約464億円)の損失から増加した。また、負債は10億ポンド(約1940億円)を超え、2023年末の数値から43%増加している。
世界的な販売減少により利益が11%減少し、2023年の3億590万ポンド(約592億円)から昨年は2億7100万ポンド(約525億円)となった。その結果、同社は従業員の5%にあたる170人の人員削減の計画を発表。これは、アストンマーティンが年間2500万ポンド(約48億円)を節約する計画の一環である。
必要が差し迫った資金を確保するために、アストンマーティン・ラゴンダは、同社のF1チームの全株式を売却に出すことを計画、1株あたり0.7ポンドの価格を設定し、総額7400万ポンド(約143億円)の売却収入を見込んでいる。
アストンマーティンの自動車会社とF1チームの両方を支配するローレンス・ストロールは、自身の『ユーツリー・コンソーシアム』が5250万ポンド(約101億円)分の株式を購入し、残りの2150万ポンド(約41億円)相当の株式を個人投資家向けに残すと発表した。ストロールは、「2020年以降、私のユーツリー・コンソーシアムのパートナーと私は、この会社に約6億ポンドを投資してきた」と説明した。
「この提案された投資は、この並外れたブランドに対する私の確信をさらに強調するものであり、また、このプレミアムサブスクリプションを通じて株式の希薄化を抑えながら、アストンマーティンが長期的な価値を創出するための最も強固な基盤を確保することへの私のコミットメントを示すものである」
「私が再びこの会社における長期的な所有権を拡大することは、株主にとって大きな安心材料となるはずだ」

アストンマーティン・ラゴンダの巨額の損失がF1チームの長期的な将来に悪影響を及ぼすのではないかという懸念を払拭するために、ストロールは次のようにコメントした。
「アストンマーティンとアストンマーティン・フォーミュラ1チームとの間の長期的なスポンサー契約が既存の関係を確固たるものとすることで、我々のブランドは今後何年にもわたりモータースポーツの頂点で存在し続け、競争を続けることになる」

(Text : GrandPrix.com)