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【】【2025年F1チーム別プレビュー/ウイリアムズ】2026年に集中も、サインツという資産を得て上昇は必至

3月6日

 バーレーンでのF1プレシーズンテストが終わり、2025年シーズンが3月14〜16日のオーストラリアGPで幕を開ける。10チーム、そして20人のドライバーたちは、今シーズンどのような活躍が期待され、どのような課題に直面するのか。長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏の見解を、チーム別にお届けする。今回は2024年コンストラクターズ選手権9位だったウイリアムズに焦点を当てる。

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■ウイリアムズ:サインツを得た今、好結果を目指さない理由はない



 ジェームズ・ボウルズ代表は、チームメンバーたちに対して、今年は厳しい年になると警告している。なぜなら2026年のマシンに全力を注いでいるからだ。とはいえ、堅実なタイトルスポンサーを手に入れ、テクニカルチームが大きく変わり、極めて速いアレクサンダー・アルボンと、グランプリ優勝経験のあるカルロス・サインツがペアを組むことを考えれば、チームの新たな可能性を最大限に引き出す努力が、今年ほとんどなされないとは考えにくい。

 フェラーリから移籍してくるサインツは、貴重な経験と技術的なノウハウをウイリアムズにもたらすだろう。それを考慮に入れれば、もしウイリアムズが今シーズン明確な前進を遂げなければ、期待外れと言わざるを得ない。

■アレクサンダー・アルボン:ウイリアムズ加入以来、最大のチャレンジに直面



 ウイリアムズに加入して以来、アルボンは、チームメイトのニコラス・ラティフィやローガン・サージェントからは挑戦されることはなかったが、昨シーズン途中にフランコ・コラピントが登場した時に、初めて厳しい現実に直面した。しかしアルボンはすぐさま自分のパフォーマンスを向上させて、チーム内のポジションを維持することができた。

 しかし新チームメイトのサインツは、アルボンよりも経験豊富なドライバーで、チームをリードして栄光を取り戻すという明確な目標を持っている。コース上でもそれ以外でも、仕事を非常にうまくこなす“スムース・オペレーター”であり、彼に勝つのは極めて困難だろう。政治的な動きをしないアルボンだが、サインツがチーム全体への影響力を強めていくなかでも沈まないようにするためには、これまで以上にコース外でも努力する必要がある。

■カルロス・サインツ:1年目にチームリーダーの地位を確立するか


 サインツは、アウディやアルピーヌという、ウイリアムズよりもポテンシャルが高そうなチームを選ぶこともできたが、ボウルズ代表のビジョンに惹かれて、この歴史あるチームに加わるという決断を下した。