【】重量過多とクラッシュに悩まされたウイリアムズ。新パーツ投入直後の失格も【覚えておきたい2024アップデート】
12月27日
2024年シーズンのF1は、前年王者であるレッドブルの優位性が崩れ、最終戦までコンストラクターズ選手権のタイトル争いが繰り広げられる1年となった。シーズン中は7人の勝者が生まれ、上位勢にはどのチームにも優勝のチャンスがあった一方、中団チームは数少ない入賞のチャンスを確実にものにしなければならず最終戦まで熾烈な争いが続いた。
そんな2024年シーズンに開発されたF1マシンを振り返るこの企画では、今回はコンストラクターズ選手権9位のウイリアムズ・レーシングの『FW46』を取り上げる。
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■FW46/ウイリアムズ・レーシング
2023年にコンストラクターズ選手権7位と躍進しながら、2024年に低迷したウイリアムズ。その最大の要因は、新車FW46の重量過多だった。FW46は最低重量を大きく上回った状態でクラッシュテストを通過しなければならず、シーズンを通してアップデートの効果が現れにくいマシンとなった。
2024年のウイリアムズを苦しめた、もうひとつの要因は、クラッシュが多すぎたことだ。第3戦オーストラリアGPではフリー走行でアレクサンダー・アルボンがクラッシュを喫し、マシンを大破させた。シーズン序盤でスペックカーの準備が整っていなかったウイリアムズは、チームメイトのローガン・サージェントのマシン1台のみで土日を戦わざるを得なくなると窮地に追い込まれた。そこでチームはサージェントよりもアルボンの方がポイントを獲得する可能性が高いとの判断し、サージェントのマシンをアルボンに与えて、土日を戦う決断を下す。
夏休み明け初戦の第15戦オランダGPに大規模なアップデートを投入してきたウイリアムズ。サイドポンツーンのインテークを2024年のトレンドとなったスタイルに変更。フロアのエッジの形状にも変更を加えてきた。しかし、このオランダGPの予選後の車検でアルボンはフロアの規定違反を問われ、失格となってしまう。
さらに追い討ちをかけたのが、サージェントがフリー走行3回目に単独クラッシュでマシンを大破させるという失態を犯したことだった。これにより、サージェントは予選に参加できなかった。
オランダGP後にウイリアムズはサージェントを解雇。イタリアGPからウイリアムズはFIA F2で戦っていたフランコ・コラピントをアルボンのチームメイトに起用した。
しかし、ウイリアムズは第21戦サンパウロGPでもコラピントだけでなく、アルボンも予選でクラッシュし、マシンを大破。そのような状況でも最終戦までアップデートしたサイドポンツーンを用意し続けたチームスタッフの努力に敬意を表したい。
(Masahiro Owari)
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