【】ハミルトン「完璧なタイミングで飛んできたボラード」に邪魔されQ1敗退。メルセデスは「愚かな素人のミス」を強く謝罪
12月8日
2024年F1アブダビGPの予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンは、アクシデントに見舞われた後、18番手でQ1敗退となった。
FP1では3番手、FP2では5番手、FP3で再び3番手と、上位タイムを記録し続けていたハミルトン。しかし予選Q1最後のランに入るのをぎりぎりまで遅らせたことで、トラフィックにはまり、さらにハースのケビン・マグヌッセンがヒットしてコース上に飛ばしたボラードが、マシンの下に引っ掛かるという、極めて珍しいアクシデントに見舞われ、タイムを向上させることができず、メルセデスでの最後の予選をQ1で終えなければならなかった。
トト・ウォルフ代表は意気消沈し、「ルイスと、アブダビを最後に我々のもとから離れる彼が最高の週末を送れるよう、懸命に努力してくれたチーム全員に謝罪したい」とコメントした。
「彼はプラクティス3回すべてで速さを発揮し、明日は好成績を収めることが予想された。しかし、Q1の終わりに、我々は彼を失望させることになった。遅すぎるタイミングでドライバーたちをコースに送り出すというミスを犯したのだ。そのせいで、トラフィックに巻き込まれ、アウトラップと最後のプッシュラップの両方に悪影響が出た」
「さらにボラードがルイスのマシンの下に引っ掛かるという事故もあった。それがなければ、彼はQ1を突破できたはずだ。しかしそもそも我々はQ1であれほどリスクを冒すべきではなかった」
「ルイスにとって、明日、本来の位置に戻るのは簡単ではないだろう。それでも彼は全力を尽くして、それを目指すはずだ。それが彼の性格であり、これまでそういう姿勢を見せてきた」[
ウォルフ代表は『Sky Spots F1』に対して「もっと早くコースインすべきだったのに、そうしなかったのは愚かなミスだ。弁解できない。私は、何かの出来事にこれほど落ち込むことはめったにない。彼と戦った終盤のレースを集約するようなものだが、そのなかでも最悪の出来事だ。本当に愚かな行動だった」と語った。
「Q1でこれほど大きなリスクを冒す必要がなかった。簡単に突破できるペースがあったのに、我々のミスによって、我々にとって最も価値あるレーシングドライバー、F1において最も価値があり、最も偉大なドライバーが、Q1で敗退することになった。素人が犯すミスだ。これで、彼と我々の伝統がすべて台無しになるわけではないが、彼には申し訳ないとしか言えない」
■ルイス・ハミルトン(メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム)
FP3 3番手(1分23秒823:ソフトタイヤ/18周)
予選 18番手(Q1=18番手1分23秒887:ソフトタイヤ)
※土曜日発表の暫定グリッドでは16番グリッドスタート
今日は本当に不運だった。マシンを良い状態にするために懸命に努力し、今回の週末は、マシンに力があると感じていた。でも残念ながら、Q1終盤にアタックするタイミングがベストではなかった。アウトラップでトラフィックを抜けて行かなければならなくて、ラップを最適化できず、最後のアタックが台無しになった。
そのうえ、ターン14でボラードがマシンの下に引っ掛かり、ラップの終盤数コーナーに影響が出た。その時点ではジョージ(・ラッセル)とペースがほぼ同じだったから、Q2に進出できそうだった。もちろん、本当に悔しく思っている。
予選Q3まで進んでいたらどうなってたのかは分からない。プラクティスでは調子が良かったから、2列目以内を狙えたと思う。でもこれが現実だ。明日はできる限り良い形で終えられるよう、全力を尽くす。後方からのスタートでは厳しいが、できるだけ楽しんで、できるだけポジションを上げていきたい。
(走行直後にメディアに対して語り)あのボラードは、これ以上ないほど完璧なタイミングで飛んできたよね。今回は表彰台に上がれるチャンスがあると信じていた。マシンの調子が良かったからだ。でもそうなる運命ではなかったということだ。
僕自身はすべてを正しく行ったと分かっているし、今週末は正しいステップを踏んだと確信している。ここから頑張って戦っていくよ。
(autosport web)
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