F1第23戦木曜会見:戦略をめぐる僚友との問題は解決したとルクレールは主張「今はタイトル獲得に全力を尽くす必要がある」
前戦ラスベガスGPを4位で終えたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、チェッカー直後に不満をぶちまけていた。チームメイトのカルロス・サインツが事前の取り決めを無視して順位を譲らず、3位表彰台に上がったというのだ。しかし木曜会見では、その問題には明らかに触れたがらない様子だった。
Q:シャルル、ラスベガスでのレース後、かなりフラストレーションがたまっている様子でしたね。
ルクレール:ラスベガスのことは、蒸し返したくない。今はシーズン最後の2レースで、コンストラクターズタイトル獲得に全力を尽くす必要があるからね。あそこで起きたことについて僕たちは話し合い、今はすべてがうまくいっている。何よりカルロスと僕はずっといい関係を築いてきた。時には思い通りにいかないレースもあったけど、その都度話し合い、前進してきた。ふたりとも今の目標は明確で、それに向かって力を合わせるだけだよ。
Q:念のため確認しますが、カルロスとの誤解を解けたと?
ルクレール:その通り。
確かにこれまでのルクレールとサインツは、コース上で何か問題が起きても、すぐにいつものいい関係に戻っていた。今回はいつになく深刻な対立のように見えたが、コンストラクターズ選手権制覇のためにすべてを水に流すということか。
Q:マクラーレンとの差は、24ポイントです。終盤2レースで、十分に挽回可能な差ですか。
ルクレール:現実的に考えると、ここカタールは少し難しい週末になりそうだね。でもスプリントもある。初日FP1の最初の周回からマシンが正しい位置にあれば、大きな違いが生まれ、本来のマシン特性よりはるかに大きな違いが生まれると信じている。フェラーリがここでは最強ではないという予想でも、状況が好転する可能性は十分にあるはずだ。
Q:2024年シーズンを、現時点で振り返ると?
ルクレール:過去数年と比べると、苦戦したレースでもポイントを最大限に獲得したり、ダメージを最小限に抑えたり、チームとしてすごくいい仕事のできたポジティブなシーズンだったと思う。以前は周りで起こっていることにはるかに脆弱で、感情的な浮き沈みも大きかった。それが今は、ずっと安定している。まだ十分ではないけどね。
ラスベガスでは悔しいリタイアに終わったピエール・ガスリー(アルピーヌ)も、ここ数戦のパフォーマンスには満足できているようだ。
Q:ラスベガスは残念でしたが、予選3番手は素晴らしかったです。あの速さがどこから来たのか、理解していますか?
ガスリー:オースティン以来、調子はかなりよくなっている。新しいパーツをいくつか持ち込んだことで、4戦連続でQ3に進出できているからね。かなりいい流れを見つけたと思う。なにしろ開幕戦バーレーンは、最下位だったからね。進化と開発のすべての過程を見ると、正しい方向に向かっているのは間違いないよ。
Q:前進するための基盤は整ったということですか?
ガスリー:まだまだ大きな仕事は残っているけどね。トップ4を見ると、特にレース当日になると、彼らはまだ別のリーグにいるように感じる。でもそのギャップを縮めて、できればトップ10で、時にはトップ5で安定して戦えるようになることを期待してるし、不可能ではないと信じているよ。
ガスリーにはかつてのチームメイト、そして親友でもある角田裕毅(RB)についての質問が出た。
Q:レッドブルのドライバー候補として、ユウキが真剣に考慮されていないことに驚いていますか? 今季好成績を残しているユウキに、チャンスを与えるべきだと思いますか?
ガスリー:難しい質問だけど、パフォーマンスの面ではチャンスを与える価値があると思う。大きく成長してきたし、チームメイトにも勝っている。その観点からしたら、彼にチャンスを与えるのは理にかなっていると思う。でも一方で、パフォーマンスだけが決定に影響するわけじゃないのも、僕はわかっている。結局はクリスチャン(・ホーナー/チーム代表)とヘルムート(・マルコ/モータースポーツコンサルタント)がどうしたいかということだよ。
一方フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、あまり満足できる1年ではなかったようだ。
Q:フェルナンド、あなたの2024年はどうでしたか?2 025年シーズンをよりよくするための、基礎を築くために使いたいと言っていましたが。
アロンソ:浮き沈みが大きかったシーズンで、正直マシンをあまり改善できなかったと思う。序盤は力強くスタートできたけど、今はQ3進出にさえ苦戦している。でもそういった困難から多くの教訓を学べたと思うし、それを来年のマシンに活かしていくつもりだ。それがおそらく今年後半の最大のプラス面だろう。マシン自体の戦闘力をあまり向上させられなかったとしても、何に苦戦しているのかはよくわかっているからね。
ではアロンソ以上に苦しい1年を送ったセルジオ・ペレス(レッドブル)は、今シーズンをどう総括しているのだろう。
Q:チェコ、2024年シーズンについて感想を聞かせてください。
ペレス:シーズンのスタートは最高だった。4戦連続で表彰台に上がったしね。ところがヨーロッパに戻ってすぐ、状況は一変した。ライバルチームが大きく改善してきた一方で、僕らはマシン開発で少し迷ったと言わざるをえない。とにかく物事がうまく進まない週末が多すぎた。でも来季に向けて、状況を好転させることができると楽観しているよ。
すると来季の動向について、かなり痛烈な質問が飛んだ。
Q:もしクリスチャン・ホーナーが、あなたはレッドブルの望まないドライバーだと判断した場合、契約ではRBで運転できると書かれていますか?
ペレス:契約については、完全にノーコメントだ。でも僕は、自分がどこにいるのか正確に知っているよ。
Q:2025年もレッドブルで走ると、100%確信を持って言えると?
ペレス:その通り。
あらゆる疑念を振り払うかのような、力強いひとことだった。