レッドブルがコラピント獲得目指し、ウイリアムズと交渉。巨額の移籍補償金が障壁に
レッドブルが、ウイリアムズと長期契約を結んでいるフランコ・コラピント獲得のため、チームや彼のマネジメントと交渉を続けている。ウイリアムズは高額の移籍補償金を要求しており、交渉は簡単には進んでいない。
セルジオ・ペレスは、2026年末までレッドブルで走る契約を結んでいるが、今季中盤以降の不振により、今季末で外される可能性が高まりつつある。また、姉妹チームRBについては、角田裕毅が2025年に残留することが決まっているものの、シーズン途中からチームメイトの座に就いたリアム・ローソンについては、来季の契約については明らかにされていない。
F1サンパウロGPの週末、インテルラゴスでレッドブル代表クリスチャン・ホーナーが、ウイリアムズのジェームズ・ボウルズ代表との会談のためにウイリアムズのホスピタリティ・ユニットを訪問した姿が目撃された。
レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、最近行った複数のインタビューにおいて、来年初めからコラピントを加入させることに強い関心を持っていることを明かしている。インタビューにおいてマルコは、「彼を手に入れるには、非常に高額の金が必要であることが分かっているが、我々は現在ウイリアムズと交渉中であり、契約を結べる可能性は残されている」とコメントした。
コラピントはこれまでレッドブルの若手ドライバー育成プログラムのメンバーになったことはない。しかしかつてコラピントは、マルコの関心を引き、交渉が行われたことがあった。
アルゼンチンの情報筋によると、コラピントをレッドブルの育成プログラムに加入させるための話し合いは2回行われたものの、どちらの場合も、非常に些細な理由で、マルコはコラピントを迎え入れないことを決めたという。
ウイリアムズの育成プログラムのメンバーで、今年FIA F2に出場していたコラピントは、イタリアGPで、ローガン・サージェントに代わってF1レースドライバーに昇格した。それ以来、見事な走りを見せて注目を集めているコラピントだが、ウイリアムズはアレクサンダー・アルボンおよびカルロス・サインツのふたりと複数年契約を結んでいるため、少なくとも今後2年間は、ウイリアムズからレースに出ることができない。
最近、コラピントは、レッドブルとの交渉については何も知らないと主張し、2025年にはF1に出場できない見込みであると述べていた。しかし、彼のマネジメントとスポンサーは、非常に積極的に動き出し、事態は急速に変化しているようだ。
ボウルズ代表は、コラピントには素晴らしい才能があり、ウイリアムズが長期的に確保したい人材であると考えているが、今後2年間、コラピントにレースシートを提供できないことは明らかだ。
一方、コラピントの母国アルゼンチンの企業からの支援は増え続けており、彼が2025年のレースシートを見つけることができれば、非常に高額のスポンサーマネーが集まる可能性がある。
コラピントが今年出場する9戦のみに対して、グロバント社は1000万米ドル(約15億円)を支払っており、さらに数社のアルゼンチン企業がウイリアムズに加わった。
ウイリアムズは、コラピントを走らせることで、年間2500万米ドル(約38億円)以上のスポンサーマネーを獲得できると確信している。ボウルズ代表は、この金額と、コラピントがコース上の結果によってもたらす可能性がある金額を考慮して、レッドブルに要求する額を定めているものと考えられる。。
さらにボウルズ代表は、コラピントに関して、2026年終了後についてはウイリアムズが優先権を持つことを望んでおり、ホーナーとマルコにとっては、これは歓迎すべき条件ではない。
コラピントとレッドブルの契約がまとまるかどうか、大きな鍵を握っているのは、メキシコの億万長者カルロス・スリム・ドミットだ。
メキシコの通信会社テルメックス、テルセルを傘下に収めるアメリカ・モービル社の社長カルロス・スリム・ドミットは、最近、テルメックスのペレスに対する支援を非常に重要なものと考えていると明言し、支援の継続を示唆した。一方で彼は、ラテンアメリカのドライバー、コラピントをサポートすることへの関心も示している。スリム・ドミットは、コラピントが2025年からレッドブルに加入するチャンスがあるならば、それが可能になるよう資金を提供する可能性があると考えられている。
さまざまな条件をクリアしてコラピントが来年レッドブルでフェルスタッペンのチームメイトになる場合、ローソンはRBにとどまるほかなく、レッドブルとRBのリザーブドライバーにはアイザック・ハジャルが起用されることになるだろう。