【】角田裕毅、自己ベストの予選3番手。赤旗5回の波乱の中ノリスがPP獲得【予選レポート/F1第21戦】
11月3日
11月3日、2024年F1第21戦サンパウロGP(ブラジルGP)の予選がインテルラゴス・サーキットで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得した。
2番手にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3番手に角田裕毅(RB)が続いた。
■Q1:角田5番手。ハミルトンまさかの16番手
土曜日に予定されていた予選は大雨のため延期となり、決勝が行われる日曜日の現地時間7時30分(日本時間19時30分)よりQ1開始を迎えた。
予選時の天候はあいにくの雨。ただ、雨量は土曜日と比べると穏やかだったこともあり、気温19度、路面温度22度というコンディションのもとでQ1は開始された。
20台中19台がウエットタイヤ(ブルー)を装着し、セッション開始序盤からコースイン。そんななか、リアム・ローソン(RB)、周冠宇(キック・ザウバー)、ランス・ストロール(アストンマーティン)がターン12でオーバーランを喫する場面もあったが、いずれもコース復帰が叶った。
なお、バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)のみ、浅溝のインターミディエイトタイヤ(グリーン)を履いたが、ファーストアタックではトップから10秒近く遅れてしまう。
残り9分、角田が1分29秒172をマークして暫定トップに浮上する。その直後、フランコ・コラピント(ウイリアムズ)がターン3でスピンを喫しバリアにクラッシュ。残り時間8分50秒というところでQ1は赤旗中断となった。
なお、赤旗導入時点での2番手は0.667秒差のシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手は0.744秒差のエステバン・オコン(アルピーヌ)となった。
セッション再開を迎えると、ボッタスもウエットタイヤに履き替える。雨脚は赤旗導入前よりもわずかに強まりを見せていたが、各車連続アタックに入りレコードライン上がわずかに乾き始める。
ただ、残り時間がわずかだったこともあり、全車がウエットタイヤのままアタックを続けた。そんななか、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が1分28秒522を叩き出しトップに浮上。2番手につけたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)に0.550秒差という驚きのタイムを記録した。
Q1の3番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が続いた。角田は赤旗前に記録した1分29秒172が自己ベストとなりQ1を5番手で終えた。
一方、Q1敗退は16番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、17番手オリバー・ベアマン(ハース)、18番手コラピント、19番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、20番手周冠宇(キック・ザウバー)の5台となった。
メルセデス勢はラッセルが3番手につける一方ではハミルトンがQ1落ちを喫する予想外の事態に。また、RBとコンストラクターズ争いを繰り広げるハースが2台揃ってQ1敗退となった。
■Q2:2度の赤旗。レッドブルが揃って敗退の波乱
続く15分間のQ2。雨が止み、路面の改善も期待される中ではあったが、15台中14台がウエットタイヤでタイム出しに入った。ただ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)だけが、Q2序盤からインターミディエイトを履いてコース入り。
残り10分というところでフェルスタッペンが1分27秒771をマークして暫定首位に浮上。ただ、インターミディエイトを履いたピアストリが1分27秒141をマークしてフェルスタッペンを0.630上回りトップにおどり出る。
このピアストリの動きを見て全車がピットに滑り込み、インターミディエイトに履き替えた。その間にピアストリは1分25秒179までタイムを縮める。
各車インターミディエイトでのタイム出しに入るなか、ターン2で前戦ウイナーのカルロス・サインツ(フェラーリ)がクラッシュを喫し、残り5分51秒時点でこの日2度目の赤旗中断となった。
セッション再開を迎えると、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が1分25秒035、ノリスが1分24秒844と、次々とタイムを更新。そして各車最後のアタックを進める最中、暫定9番手のストロールがターン3でクラッシュを喫しイエローが提示されると、その後しばし時間を置いて赤旗が提示される。
その時点でQ2の残り時間は46秒ということもあり、Q2はこの赤旗を持って終了。トップはノリス、2番手アロンソ、3番手ピアストリとなるなか、ローソンは4番手、角田は10番手でQ3進出を決めた。なお、クラッシュを喫したストロールは9番手でQ3進出を決めたが、ここで予選を終えることに。
一方、最終アタック中に赤旗提示となったことで、フェルスタッペンとペレス、レッドブルの2台がQ2敗退というまさかの事態となった。
Q2敗退は、11番手ボッタス、12番手フェルスタッペン、13番手ペレス、14番手サインツ、15番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の5台となった。
■Q3:角田裕毅が3番グリッド獲得!
ポールポジションを決める最終Q3は12分間。9台はいずれもインターミディエイトタイヤでコース入り。まずは1分25秒631を叩き出したノリスがトップの座を射止める。
その直後にはアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)が1分24秒657を叩き出すが、ノリスが翌周に1分24秒158で上回り、トップの座を死守する。
走れば走るだけコンディションも改善するコンディションにより、見応えのあるタイム更新合戦が行われる最中、アロンソがターン11立ち上がりでクラッシュ。残り6分59秒時点でこの日4度目の赤旗提示となった。
この赤旗時点での暫定順位はノリス、アルボン、ピアストリ、オコン、ラッセル、ルクレール、角田、ローソン、アロンソというオーダー。
現地時間8時54分にセッション再開を迎えると、全車インターミディエイトで最後の勝負に臨んだ。しかし、波乱は続く。残り3分31秒というところで暫定2番手のアルボンがターン1でかなり激しいクラッシュを喫してしまう。
アルボンは自分の足でマシンを降りたが、このクラッシュによりこの日5回目の赤旗導入となる。ポールポジション争いは、またしても仕切り直しとなった。
なお、アルボンのクラッシュ直前にターン4で角田がスピン。勢いそのままにターン4のエスケープを滑りながら進むかたちとなったが、幸いターン4のエスケープゾーンが広かったため、角田はコースに戻ることが叶った。
わずか7台による、最後のタイム出しが始まるとノリスが1分24秒092で全体ベストを更新。続いて角田がノリスから0.019秒差の2番手に浮上する。
角田とローソンのRB勢はこのラスト1アタックとなったが、ノリス、ラッセルは続けて2度目のアタックに入った。ノリスは1分23秒405までタイムを伸ばしポールポジションを獲得。ラッセルも最後のアタックで1分23秒578までタイムを伸ばし2番手に浮上を果たした。
そして最終的にノリスから0.706秒差の3番手に、RBの角田が続いた。角田にとって3番手は予選での自己最高順位となる。
以下、4番手オコン、5番手ローソン、6番手ルクレール、7番手にクラッシュを喫したアルボン、8番手ピアストリ、9番手にクラッシュを喫したアロンソ、10番手にQ3未出走ストロールが続いた。
2024年F1第21戦サンパウロGP、71周の決勝はこの後日本時間4日0時30分(現地時間3日12時30分)にスタートが切られる予定だ。日本のF1ファンにとって見逃せない一戦となるに違いない。
(autosport web)
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