【角田裕毅F1第18戦展望】初日4番手も、調子を上げたライバルを警戒「順位に甘んじず競争力のあるクルマに仕上げたい」
「調子はよかったです。前戦アゼルバイジャンGPでは、RBのクルマが市街地コースとの相性がいいことから期待値が高かったのに、その期待を裏切られたこともあり、今回は(期待を)持たないようにしていたのですが、初日からトップ5というのはここ数戦なかったからよかったです」
F1第18戦シンガポールGPの初日のフリー走行を4番手で終えた角田裕毅(RB)は、夜11時に我々メディアの前に現れると、微笑みながら、そう語った。
そもそも今シーズン、角田が初日をトップ10内から発進したのは7回ある。オーストラリアGP(10番手)、日本GP(4番手)、マイアミGP(8番手)、エミリア・ロマーニャGP(3番手)、カナダGP(8番手)、オランダGP(7番手)と、このシンガポールGPだ。
さらにトップ5となるとこのシンガポールGPも含めて3回だけである。日本GPが4番手で、エミリア・ロマーニャGPが3番手だった。いずれもシーズン序盤。角田が、久しぶりのトップ5に表情が穏やかになるのは当然だろう。
しかし、その笑顔はコメントが進むにつれて、消えていった。それは、マシンの調子が悪かったり、何か問題を抱えていたからではない。
「ただ、ここ数戦アップデートを入れて調子がいいウイリアムズが、まだ初日は速さを隠しているかもしれないので、油断はできないです。ウイリアムズはロングランのペースもいいみたいなので、彼らがショートランで速さを隠していると想定して、このポジションに甘んじず、改善すべきところをしっかりと見つけて、より競争力のあるクルマに仕上げたいと思います」
じつは木曜日にも、角田はライバルたちの速さについて、こう語っていた。
「バクーでは思っていたほど僕たちのアドバンテージはハースやウイリアムズに対して大きくなかった。バクーでウイリアムズが速かったのは、おそらく空気抵抗を増やさずにダウンフォースを増加させるという空力の効率がいい開発ができているからだと思います。いまはハースよりもウイリアムズのほうがいいクルマです。このままの調子でウイリアムズに負け続けると、コンストラクターズ選手権も厳しくなると思います」
今年、初日トップ5以内だった3回のうち、4番手だった日本GPの角田の予選結果は10番手。3位だったエミリア・ロマーニャGPは7番手だった。果たして、今回4番手だった角田のシンガポールGPの予選ポジションは何位となるのか。
「シンガポールは予選が重要なので、今日のパフォーマンスをもっと上げることに集中して、予選でQ3に進出できるようにしたい」
角田の走りをQ3で見ることができることを期待したい。