パパイヤ・ルールは「チームを引き裂くことになる」と嘲笑うホーナー。「タイトルを争うならなおさら」
2年半にわたってトップに立ち続けたあと、コンストラクターズ選手権の首位をマクラーレンに奪われたレッドブルは、シーズン終了前にランド・ノリス(マクラーレン)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に追いつく可能性を明らかに懸念している。そのため、先週末オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がアゼルバイジャンGPで優勝し、ドライバーズ選手権でチームメイトに近づいたことは、レッドブルのボスであるクリスチャン・ホーナーにとってライバルたちにプレッシャーをかける絶好の機会となった。
マクラーレンを率いるアンドレア・ステラは、ふたりのドライバー間の新しい交戦規定である有名な“パパイヤ・ルール”について長々と話していたが、ホーナーは「通常、そうしたことは非公開で扱われるものだ」と主張し、「そのルールが何なのか、私にはよく分からない。まだ混乱があるようだ」と付け加えた。
レッドブルとマクラーレンの違いを示したいホーナーは、次のように強調した。「チームごとに違いがあるが、我々の交戦規定は非常に明確だ。我々にはワールドチャンピオンのタイトルを目指して戦っているドライバーがいる。これはチームスポーツだ。だから、チェコ(セルジオ・ペレスの愛称)の仕事は、1年の最後に向けマックス(・フェルスタッペン)をサポートすることだというのは非常に明白だ」
同氏は、レッドブル内の状態はあらかじめ決まっていたと認めたうえで、マクラーレンの運営方法に冷笑を向けた。「運営方法はチームによって違う。マックスのような財産を持っている場合、彼をナンバー2のドライバーにすることはない。ランド(・ノリス)にはオスカー(・ピアストリ)の5倍のサラリーが支払われている。だから、彼は彼らのナンバー1ドライバー、あるいは最大の財産なのだろうと私は推測する。最初から計画が何であるか正直にならないと、のちのち混乱が生じるものだ」
明らかにこの問題に熱心になっているホーナーは、「(ピアストリは)彼らに頭痛の種を与えていると思う。なぜなら彼はレースに勝っているし、とてもよい仕事をしているからだ」と付け加え、2014年にレッドブルが経験した状況と比較した。
「ダニエル・リカルドが我々のチームに来たとき、彼がセバスチャン・ベッテルのナンバー2になるのは明らかだった。その年、彼は3レースで優勝したのに対し、セバスチャンは1勝もできなかった。時々そのような問題が起きることがある」
その後、ホーナーは他の3チームに分析を広げて語った。「メルセデスがおそらくジョージ(・ラッセル)、フェラーリがカルロス(・サインツ)を獲得したように、彼らがオスカーを獲得するにあたって、重要な財産、つまりサポート役という財産を得るという期待を抱いていたことは確かだ。しかし、当然ながら2番目のドライバーが最初のドライバーよりも優れたパフォーマンスを発揮し始めると、悩みの種になりがちだ」
そして最後に、彼はマクラーレンの潜在的な問題の原因について示唆した。レッドブルのようにシーズン開始直後から物事を明確にしていないことについてだ。
「これは対処が非常に難しい問題になる。チームを引き裂くことになるからだ」とホーナー。「そして交戦規定も非常に難しくなる。おそらく、ナンバー1とナンバー2が誰であるかは誰もが知っているが、ドライバーに正直に伝えなければ混乱が生じてしまう」
「どのレースでもレースに臨むにあたっては……もちろん、シーズンの序盤ではあらゆる可能性があるが、中間地点までくれば確実にどちらかを選ばなければならない。タイトル争いをしているならなおさらだ」