【】アルピーヌF1、ブリアトーレ主導でメルセデスPU獲得計画を推進。2025年搭載案はサインツ説得の材料か
7月24日
アルピーヌF1チームがメルセデスのパワーユニット(PU)を搭載するための交渉を、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザー、フラビオ・ブリアトーレが積極的に推し進めている。彼はハンガリーGPの週末、サーキットを訪れ、メルセデス代表トト・ウォルフとの交渉を行ったようだ。
ブリアトーレはハンガロリンクでメルセデスのモーターホームを訪問し、長い時間を過ごした。ルノーがF1パワーユニットの開発から手を引き、アルピーヌF1チームは他マニュファクチャラーのパワーユニットを搭載する形でF1活動を続けるというプランが検討されている。
アルピーヌは、現在、カスタマーエンジン供給についてメルセデスとの契約に近づいているといわれる。これが実現すれば、ロータスとして参戦していた2015年以来のメルセデスとのカスタマー契約になる。その契約は2026年からであるという見方が広くなされていたが、ブリアトーレは来年からメルセデスエンジンにスイッチすることを視野に入れていることが分かった。
ブリアトーレのもうひとつの計画は、カルロス・サインツを長期的に確保することだと考えられている。2025年にメルセデスのパワーユニットを搭載することが、サインツがアルピーヌ加入を決断する助けになると考えている可能性が高い。
しかし来年ルノー製エンジンを放棄してメルセデスに切り替えることには、大きなハードルがある。すでに2025年型マシンA525の設計・開発は、ルノー製パワーユニット搭載を前提に進められている。つまり、パワーユニットの構造、ICE、バッテリー、MGU-K、MGU-H、冷却システム、その他のすべての付属品は、モノコックの設計、特にサイドポッドの形状を決める際のベースになっている。すでにそれは定義されており、チームは現在、空力およびメカニカルパッケージの部分に取り組んでいる。
パワーユニットを変更するなら、チームはこれからシャシー側の設計をやり直さなければならなくなる。たとえばギヤボックス・ケーシングなどの一部パーツは、製造に数カ月を要する。こうした変更により、期待していた来年に改善するチャンスが大きく損なわれるだろう。
夏の終わり近くにすべてを変更する場合、アルピーヌはライバルよりも2〜3カ月の遅れを取ることになり、A525の設計・開発に深刻な影響を及ぼす。
もうひとつの大きな障害は、2025年にメルセデスはすでに4チームに供給することが決まっていることだ。自身のチーム、マクラーレン、アストンマーティン、ウイリアムズをクライアントとして抱えており、アルピーヌを5チーム目として加えて、全チーム中、半数のチームにパワーユニットを供給することが可能かどうかという問題がある。
ブリアトーレがどういう人物かを考えると、2025年のメルセデスへのスイッチというプランは、サインツを来年獲得するための煙幕である可能性を否定できない。つまり、2026年からのメルセデスとのPU契約を締結した上で、「その契約を12カ月早めるために全力を尽くす」とサインツに約束するわけだ。
実際にエンストンとビリー−シャティヨンでブリアトーレが実行しようとしている革命が、予想外の新たな章を迎えるのかどうか、注目される。
(GrandPrix.com)
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