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【F速プレミアム】スペインとふたつのレースの物語/スペイン人ライターのF1コラム

7月9日

 2026年からマドリード市街地コースで開催予定となっているF1スペインGP。しかし、バルセロナもレース開催を諦めていないようだ。スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアがスペインGPの状況について語る。
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 F1の歴史上最も多くのレースが開催されたサーキットのリストで、バルセロナと鈴鹿が10位を分け合っていることをご存知だろうか? 私の地元レースであるバルセロナの場合は、1991年にカレンダーに加わって以来、グランプリが中断されることなく開催されてきた。理論上は、2026年にバルセロナでもう1レースが行われ、スペインGPがマドリードに移れば、この状況は終わりを迎えることになるが……しかし、物事は一見したほど簡単ではないこともある。

 バルセロナとマドリードは歴史的に非常に激しいライバル関係にある。サッカー好きの読者なら、“エル・クラシコ”のおかげでこのことをすでに知っているかもしれない。しかし現実には、スポーツ界のライバル関係は、政治から生まれた文化的なライバル関係の一要素に過ぎない。実際、さらに深く起源を探ってみると、バルセロナを首都とするカタルーニャ州とスペインの間には、一定の文化的隔たりがあり、それが独立運動への強い支持につながっていることが分かる。

 もちろん、この話全体はもっと長くて複雑だが、これが大まかな要点であり、レースをバルセロナからマドリードに移すことが、考えられるよりもはるかに微妙な意味合いを持つ理由を理解するには十分だ。最近、私はスペインGPに参加し、情報収集の機会を得た。私が参加したのは、バルセロナ・カタロニア・サーキットの運営側が、2026年のグランプリをすでに失ったにもかかわらず、コース設備のアップグレードに多額の資金と労力を費やしていた理由を調査するためだった。そして、非常に興味深い発見がいくつかあった。

 背景として、スペインGPが2026年からマドリードの新しいストリートコースで開催されることが公式発表されたとき、バルセロナがその運命を受け入れて、2025年に契約を終了して新たな冒険へ進むと思っていた。しかし、彼らはF1での成功の秘訣を踏襲することで、さらに努力を重ねたのだ。


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